韓進海運の破たん、入港拒否などで世界の貿易に混乱 - WSJ

韓国の海運大手である韓進海運は新規の積み荷の受け入れを停止し、米国の港では同社船舶の入港を拒否し始めた。同社が8月31日、日本の会社更生法に相当する法定管理をソウルの裁判所に申請したことを受けた措置だ。
米国の小売業者にとっては年末商戦向けに在庫を積み増す重要な時期に当たる。韓進海運の法定管理申請を受けて世界貿易には混乱が生じ、米国の荷主はアジア航路での運賃急上昇に直面している。
(後略)

http://jp.wsj.com/articles/SB11229581354231873921504582287100470625984

日本で言うなら、商船三井が破たんしましたレベルの大ニュースじゃねーの、これ。
実際、輸送量だけなら商船三井を超える規模の会社だし。
韓国は半島国家だけれども、地政学上は島国であり、海運ってのは国家の生命線に匹敵する重要なものである。
島国で、しかも国で一番大きい海運会社が破たんするって、どんな低能な経営やったら出来るのか、理解不能なレベル。
だって、資源を買うにも、加工品を売るにも、海運が無ければ干上がるのが島国なのだから、真っ当に商売をやっていれば、仕事が無くなる事が無い…と思って居たのだが、破綻の理由は「海運不況」とあるので、少し調べてみたら…何の事は無い、「中国の不景気で海運全体の量が減った」という話が根っこにあった。
海運業者ってのは、グローバル化が最も進んでいる業種の一つであり、自国の海運より、他国も含めた運送で食っているのだとか。
そして、中国の好景気がいつまでも続くと言う皮算用で新規船舶の発注とか、人員募集しての規模拡大をしていたところに、中国のバブル崩壊で一気に海運需要が落ち込み、船舶も人員も余るようになった。
今回破綻した韓進海運は、利益の９０％以上を韓国以外の海運で儲けていたような会社だったから、特にダメージがデカかったのに、需要が落ちても用船料を引き下げないなど、体質改善努力を怠った結果、破たんしたと言うオチ。
銀行と一緒で「どうせ大きな企業は潰せないだろう」という甘えがあったんだろうな。
ちなみに、日本の三大海運業社も海運不況で黒字を減らしているそうだが、赤字にはなっていない模様。
これほどグローバル化が進んでいる海運の世界で、中国共産党がその民間船舶をいつでも好きなように徴用して軍事作戦に供する事が出来ると言う点で、やっぱり中国って特殊な国なんだなぁ、とつくづく思う。