gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

はてなダイアリーが更新できなくなったので、泣く泣くこちらに移行。使いづらいようなら、別なサービスへの引っ越しも検討する予定。元ダイアリー:http://d.hatena.ne.jp/gayuu_fujina/

中国の潜水艦の潜航深度はなぜ日本に及ばないのか? : 大艦巨砲主義!

2016年10月7日、一号機密は、中国の潜水艦の潜航深度が日本の潜水艦に及ばない理由について分析する記事を掲載した。
記事は、中国の091型原子力潜水艦の潜航深度は約350メートルだが、海上自衛隊のそうりゅう型潜水艦の潜航深度は500メートルだと紹介。この違いについて記事は、主に鋼材の違いにあると分析した。それで、中国も新たな鋼材の研究開発を急ぐべきだと主張した。
(中略)
レアアースは鋼材の性質を決める重要な要素だ。中国のレアアースがなければ日本も軍事面で強くなることはない」
(後略)

http://www.recordchina.co.jp/a152212.html

まずな、高張力鋼とレアアースは関係ねーから。
あとは、島国日本の潜水艦は日本海と太平洋、どちらも平均深度が深い海なので、要求される可潜深度は必然的に高くなる傾向がある。
対して、ドイツやフランス、ロシアと言った浅い地中海を主戦場として設計されている欧州の潜水艦は、戦闘する深度は200〜300mと考えられており、必要な可潜深度もその辺りを基準としている。
第二次世界大戦からあんまり変わっていないじゃん、と思われるかもしれないが、安全性は天地の差があるので、最大深度の数字だけを比較するのは、感心しない。
ロシアのキロ級だけでなく、輸出潜水艦を建造する独仏から技術を買っている中国は、キロ級と限界深度と同じ物しか作れていないので、限界深度は300mとなる。
とはいえ、外洋海軍であるアメリカ軍ですら400m以上の深度で戦う事を余り考えておらず、オーバースペックと言われたシーウルフ級の可潜深度610mから、次級のバージニア級では488mへとスペックダウンされている。
その意味で、日本がシーウルフ級でも使ってない高耐力のNS110鋼を使っているのは、一種のガラパゴス化とも言える。
んが、戦争に於いて、相手には無い「強み」を持つ事は、戦術の幅が広がるので、おそらくは何らかの戦術的な意図をもってそうした設計にしているはず…だよね。
世界で数少ない、深度900m以上でも使用可能な長魚雷持ってるぐらいだし。