gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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長征5号打ち上げにどよめく宇宙クラスタとその技術的解説のまとめ - Togetterまとめ

この長征5号の開発が遅れていたので、こないだ打ち上げた天宮2号は天宮1号の予備機を改修した奴を打ち上げている。
宇宙クラスタが驚いている各種の新機軸の信頼性が十分だったなら、天宮2号は計画通り長征5号で打ち上げられていた訳で、結果成功したけれど、燃料抜き取りからの再充填とか、実はかなりタイトな成功だったんじゃないかな…。
ちなみに、長征5号の開発開始は、中国が死ぬ程金に余裕があった2000年初頭で、エンジンの燃焼成功は2007年。(奇しくも世界同時不況で中国の経済が腰折れした年である)
そこから初号機である今回の打ち上げまで、10年近い歳月を費やしている時点で、技術以外の理由がその遅延にあったと推察できる。
宇宙クラスタは、軍事とか国防とかより宇宙関連技術の方に気が行ってて、日本という国の立場を無視してるけど、核兵器も持たず、MIRV型の大型核弾頭を撃てる超大型大陸間弾道弾を開発する事はもちろん、保有する未来すら現時点ではありえない日本が、長征5号のような超大型ロケットを開発する「理由が無い」以上、超大型ロケット開発に必要な要素技術を日本が持っていないのは、当然の話。
「宇宙開発に対するビジョン」にしても、宇宙強国である米露中欧の全てが宇宙開発と核開発と軍事とが密接に関係しており、宇宙への投資がそのまま国防にもつながり、そこから得られた技術が商業ロケットの優位にもつながる良循環があるのに対して、日本の宇宙開発は純粋に学術目的…という名目でしか研究できず、裏の理由である「潜在的核開発能力と弾道ミサイル技術の保有」を公には説明できないので、宇宙強国の予算に対して研究予算が一桁少なくて当たり前で、それどころか、何かと理由を付けて削減され続けている。
宇宙クラスタの人達は、この辺を理解してなお、やっぱり日本に文句を言っているのがね…。
その文句を言うなら、未だに中国の軍拡と侵略圧力から目を逸らし、国防予算にケチをつける中国の息が掛かったマスコミとか、自称平和団体とか、そうした事実を知ろうともしない同世代のご老人たちの方が先だろうに、と強く思う。
日本は民主主義国家で、政府の無能は国民の無能の裏返しなのだから。
あと、財務省はマジで一度解体するか、権限を分散させないとだめだと思う。
先の消費税増税もそうだけど、今も財務省の権力が強すぎて、政治すら「民意で選ばれた訳でもない財務官僚」によって捻じ曲げられている局面がある。
そのおかげで、先の民主党政権でも、国家財政を破綻させるような極端な路線変更とかは出来なかったので、益が無い訳じゃないんだけど、彼らは別に積極的に日本を害する意図がある訳ではないが、「省益」という国益とは異なる基準で動いており、本来なら政治でコントロールすべき部分を、彼らの「省益」で捻じ曲げてしまう事があるので。
余談だけど、世界最大の軍事国家アメリカですら、冷戦崩壊後はこの手の超大型ロケット開発を止めたぐらいに、超大型ロケットの開発と打ち上げは、お金が掛かる。
中国の宇宙開発に対して、米露の対抗姿勢がほとんど見られないのは、米露共に、中国が米露に追いついた時点で、超大型ロケット開発の大変さに、足を止める事を理解しているからなんじゃないかと思ったり。