gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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TPP「年内承認ない」 米共和党上院トップが明言:朝日新聞デジタル

米議会上院の共和党トップ、マコネル院内総務は9日の記者会見で、環太平洋経済連携協定(TPP)の承認について「明らかに今年法案が提出されることはない」と明言した。TPP離脱を訴えた共和党のトランプ氏が大統領選で勝利し、TPPの早期承認は絶望的となった。
オバマ政権は、大統領選後から来年1月の次期議会開始までの「レームダック(死に体)」期間の議会承認に向け、調整を本格化させる予定だった。ところが、「就任初日にTPPを離脱する」と公約したトランプ氏が大統領選で勝利。次期大統領の就任前にTPPを承認するのは困難となった。
TPP参加12カ国のうち、日本、豪州、ニュージーランドシンガポールの4カ国の駐米大使が10日、米議会でのTPP承認を訴える記者会見を予定していたが、「参加者のスケジュールの都合のため」として中止となった。(ワシントン=五十嵐大介

http://www.asahi.com/articles/ASJCB2JY1JCBUHBI00L.html

ヒラリーもTPP反対だったので、オバマが大統領選の前までにTPPの議会承認を取れなかった時点で、こうなるのは当然だった。
しかしまあ、アメリカが日本にゴリ押しして進めたTPPを、直前になってアメリカが離脱とか、TPP加盟国は、散々かき回した元凶の癖にと言う怒りを持つだろうし、TPPによる経済的な締め出しを懸念していた中露は、懸念が無くなったと大喜びだろう。
1国で日本を含めたTPP加盟国総和分以上の経済力(GDP)があるアメリカが抜けると、TPPは現代版大東亜経済圏と言うべき経済ブロックになり得る潜在力があると言えばある。
なので、アメリカ抜きで、日本主導でTPPを仕切り直すという手は無くも無い。
問題は、日本の外務省に、大仕事をやり遂げるだけの能力が絶望的に無い事ぐらい…うん、ダメだねこりゃ。
ちなみに、各社こぞってTPPの失敗はアベノミクスの失敗だ、見たいな論調だけど、元々アベノミクスの3本の矢の中にTPPは含まれておらず、TPP参加決定は民主党政権の置き土産だって事を、都合よく忘れてねぇ?
更に言うと、民主党時代のTPPは、ほとんど日本のメリット無しの、完全市場開放だったのを、安倍政権が根強く交渉して、多くの聖域を確保したTPPに生まれ変わっている。
逆に言うと、あっても無くても、メリットもデメリットも薄いレベルまで再交渉してる訳で、日本側がTPP採決を進めているのは、「日本は準備できてるんだけど、アメリカさんはどうなの?」と言える外交的立場を作る為の物。
だから「アメリカの一方的な都合でTPPが発効しない」となれば、日本はアメリカに対して物言いを付けられるカードを一枚得られる事になる。
トランプが、アメリカが過去の外交的な積み重ねを無視して身勝手に振る舞えば振る舞う程、アメリカの外交的発言力は落ちていくし、日本もアメリカの言う事を聞く必要が無くなっていく。
まあ、外交における必要経費と言う奴だね。