gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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全長9mの小型ロケット打ち上げ延期…JAXA : 科学・IT : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

宇宙航空研究開発機構JAXAジャクサ)は11日、内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県肝付きもつき町)で午前8時48分に予定していた小型ロケット「SS520」4号機の打ち上げを延期した。
JAXAは打ち上げの3分前の同45分頃、打ち上げの中止を発表した。地上や上空の風など天候を検討した結果、打ち上げの条件が整わなかったためと説明している。打ち上げは、11日と12日には行わない。
ロケットは全長9・54メートル、重さ2・6トンで、東京大学の超小型衛星1基を搭載していた。

http://www.yomiuri.co.jp/science/20170111-OYT1T50028.html

商業向けなら成功率を落とす訳には行かないので、不安要素があるなら打ち上げ延期は当然かな。
ただ、昨日のエントリで書いたけれど、軍事利用するなら荒天だろうが打ち上げを強行して、何発か打ち上げて1基でも成功すればOK、みたいな運用も考える必要があるけど。
ちなみに、JAXAの公式情報をチェックしてみたら、
関連:SS-520-4号機実験の実施について | 宇宙科学研究所
SS520は固体燃料ロケットなので、事前に建造して置いて随時打ち上げの様な運用が可能。
更に、今回打ち上げる3Uの超小型衛星(ピコサット)のTRICOM−1は、「電波収集」「撮像衛星」…早い話が、超小型の偵察衛星である。
余談だが、TRICOM−1の公開情報はかなり少なく、ネットで集められる情報だと、市販品を利用した相当安価に作った物で、電波も免許などの必要ない特定小電力を狙った、アマチュアでも比較的容易に打ち上げ、運用できるシステムを目指している感じを受けた。
しかし、逆に言うなら軍用特化した場合の「伸びしろ」は大きい、と言う意味でもある。
…やっぱりこれ、色々と先を見据えた研究なんだろうな。
なお、地上発射型のペイロードは4kgだが、空中発射型の場合、ペイロードは17kgまで増強可能とされている。
空中発射型は構想段階だが、17kgあればTRICOM−1なら5基同時打ち上げが可能だし、比較的寿命が長い、大きめの超小型衛星(ピコサット)打ち上げも可能になるだろう。*1
閑話休題(それはさておき)
ペイロードが大きいイプシロンならともかく、SS520自体のミサイル転用は無理と言うか、SS520を改造するぐらいなら、専用で新規開発した方が皆が幸せになれるぐらい実りが無いので、もし今回の打ち上げを指して「グンクツノオトガー」とか叫ぶような奴が居たら、ただのアホである。

*1:TRICOM−1の寿命は1か月ほどと言われている。空気抵抗の無視できない低軌道で軌道修正能力が無い衛星だから、仕方ない話