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仏大統領選 マクロン氏とルペン氏が決選投票へ | NHKニュース

フランスの大統領選挙は23日投票が行われ、現地のメディアは、中道で無所属のマクロン前経済相と極右政党・国民戦線のルペン党首の2人が、来月7日に行われる決選投票に進むことが確実になったと伝えました。決選投票では、2人の主張が大きく異なるEU=ヨーロッパ連合との関係や移民問題などをめぐって、激しい選挙戦が繰り広げられることになります。
フランス大統領選挙は23日、1回目の投票が行われ、開票作業が続いています。
フランス内務省の発表によりますと、集計率91%の時点で、中道で無所属のマクロン前経済相が793万票余り、極右政党・国民戦線のルペン党首が745万票余り、中道右派共和党のフィヨン元首相が666万票余り、急進左派の左派党のメランション元共同党首が657万票余りとなっています。
フランスの公共放送「フランス2」は、これまでの開票状況や独自の集計結果などから、マクロン氏とルペン氏が来月7日に行われる決選投票に進むことが確実になったと伝えました。
フランスでは伝統的に中道左派中道右派の政党が交互に政権を担ってきましたが、今回の選挙は、既成政党に属さないマクロン氏と極右政党のルペン氏が決選投票に勝ち進む異例の展開となりました。
2人の主張は大きく異なっていて、マクロン氏がEUの枠組みを堅持するとともに合法的な移民は受け入れ続けると主張しているのに対し、ルペン氏は「フランス第1主義」を掲げてEUに批判的な立場で、移民も厳しく規制すると主張しており、決選投票に向け激しい選挙戦が繰り広げられることになります。
ただ、マクロン氏とルペン氏の得票率がいずれも20%台前半にとどまる見通しであることから、今回、ほかの候補に投票した有権者の動向が決選投票の行方を左右することになり、すでに敗北宣言をした共和党のフィヨン元首相と社会党のアモン前教育相は、それぞれの支持者に対してマクロン氏への投票を呼びかけました。
マクロン前経済相「私は大統領になる」
決選投票に進むことが確実になった中道の無所属、マクロン前経済相は、パリ市内の演説会場に姿をあらわし、支持者の間からは大きな歓声が上がっていました。
マクロン前経済相は「これまでの政権とは全く異なる新しい政治を目指したい。それは、活力に満ちて、経済的にも力強く、わが国を守ってくれるヨーロッパを支持するものだ。そのためにあなたたちの支持がさらに必要だ。これから決選投票まで連帯して勝利を目指そう。私は必ず大統領になる」と力強く訴えました。
ルペン党首「愛国者に結束を呼びかけ」
決選投票に進む見通しが伝えられた国民戦線のルペン党首は、フランス北部の町で23日午後9時ごろ(日本時間の24日午前4時ごろ)、支持者の前に姿をあらわしました。
ルペン党首は「歴史的な結果だ」と支持者に感謝したうえで、「今回の戦いは、工場の移転や不当競争、大勢の移民の流入の原因となっているグローバル化を続けるか、それともわれわれの国境や安全、アイデンティティーを守るため、フランス優先の道を選ぶかの選択だ。既成の2大政党によらない根本的な政権交代が必要で、すべての愛国者たちに結束を呼びかける」と述べました。
支持者たちは国旗を振ったりルペン党首の名前を連呼したりして、決選投票へ進むことへの喜びを表していました。
フィヨン元首相 マクロン氏支持を呼びかけ
中道右派共和党のフィヨン元首相は、パリ市内で、敗北を認めたうえで、決選投票では中道で無所属のマクロン前経済相を支持するよう呼びかけました。
(中略)
メランション元共同党首「みずからの判断で投票を」
敗北が確実になった急進左派、左派党のメランション元共同党首は、来月7日に行われる決選投票については「支持者はみずからの判断で投票すべきだ」と述べました。
(中略)
社会党アモン氏 マクロン氏支持を表明
フランスで行われた大統領選挙の1回目の投票で、与党・社会党のアモン前教育相はパリ市内で記者会見を開き、敗北を認めたうえで、「国民戦線を打破するために、同じ考えではないが、マクロン氏への投票を呼びかける」と述べて、極右政党・国民戦線のルペン党首を当選させないため、決選投票に向けて、中道で無所属のマクロン前経済相を支持すると表明しました。
マクロン氏とルペン氏の勝因
中道の無所属、マクロン前経済相が決選投票に進んだ背景には、「左派でも右派でもない政治」を掲げ、中道左派の与党・社会党や、公金横領などの疑いで候補が訴追される事態に陥った中道右派の野党・共和党の双方の支持者から、幅広い支援を受けたことがあげられます。
(中略)
マクロン氏は、公約で、公務員や議員定数の削減で歳出を減らす一方で、企業への優遇策として法人税や年金など社会保障費の削減し、小規模事業主の失業保険の創設などを訴え、都市部の若者や会社員から多くの支持を得たものとみられます。
また、マクロン氏はEU=ヨーロッパ連合の枠組みを堅持を主張し、EUなどの各国で国境審査なしで移動できる「シェンゲン協定」や単一通貨ユーロを守るとともに、EUの方針に基づいて中東やアフリカからの難民や合法的な手続きで入国した移民は受け入れ続けると主張しました。
こうした訴えから、マクロン氏は現状の政治に不満を持ちながらも、極右政党・国民戦線のルペン党首には反発する多くの有権者の受け皿になったものとみられます。
国民戦線のルペン党首が有権者の多くの支持を集めた背景には、6年前に党首に就任してから、「差別的な極右」という党のイメージの刷新に取り組んできたことがあります。
その結果、以前は国民戦線を敬遠していた有権者や、ルペン党首の就任前の国民戦線を知らない若者などからも、支持を集めるようになりました。
ルペン氏は、自国の利益を最優先にするとの原則を掲げ、移民の受け入れ制限やテロ対策の強化を訴え、中東などから押し寄せる移民や難民に不安を感じる有権者の間で支持を集めてきました。
さらに、国内の産業を保護し、EUからの離脱の是非を問う国民投票の実施すると主張し、EUの下で各国との競争にさらされてきた農家や工場労働者の間でも支持を広げてきました。
事前の世論調査によりますと、国民戦線の支持者に支持の理由をきいたところ、43%が「既存の政党への不満」と答えていて、国民戦線が既存の政治に対する不満の受け皿となっていることがうかがえます。
ルペン党首は選挙戦終盤になって支持が伸び悩みましたが、投票日直前にパリ中心部で警察官が殺傷される事件が起きたことから、治安対策を前面に打ち出してきたルペン氏に追い風になる可能性も指摘されていました。
フィヨン氏とメランション氏の敗因
中道右派共和党のフィヨン元首相が敗れた最大の原因は、家族の公金不正受給疑惑です。
(中略)
メランション氏は、今月に入ってから急速に支持を広げ、ほかの有力候補を猛追してきましたが及びませんでした。
メランション氏は「不服従のフランス」というスローガンの下、EUが求めている公共サービスの自由化や民営化を阻止し、厳しい財政規律にも従わないなどと訴え、EUとの交渉次第では離脱も辞さない姿勢を打ち出しました。
また、経済政策として総額で30兆円を超える景気刺激策を行い、最低賃金を大幅に引き上げることなどを公約に掲げたほか、環境保護も重視して国の総発電量の70%以上を賄っている原発を全廃し、2050年までにすべての発電を再生可能エネルギーで賄うと主張しました。
こうした主張は、従来の支持層の労働者に加え、若い世代や既成政治に不満を持つ有権者などから一定の支持は集めましたが、主張が極端だとして実現性を疑問視する声も多く、幅広い有権者には浸透しませんでした。
(後略)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170424/k10010958891000.html

これはまた…酷い接戦もあったもんだわ。
下馬評通り、マクロンとル・ペンが残り、ある意味ではトランプ以上のルーピーであるメランションが落ちたのは、順当な結果ではある。
多分、テロ事件が無くても、この結果は変わらなかったと思う。
中道右派のフィヨン元首相が、中道左派マクロン前経済相を支持ってのは、同じ保守である筈のル・ペンに対して、彼女が主張する「EU離脱の国民投票」が「過激すぎる」という点で、保守の安定志向からすると、受け入れ難かったのだろう。
得票数的に見ても、マクロン優位なところに、フィヨンの票が合流すれば、ほぼ確実にマクロンの勝利である事は間違いないのだが、トランプと同様に、はやり国民が分断(最低でも25%以上は)された状態での当選となるだろう。
つまり、これまたトランプと同様に、政権基盤が弱く、失策が少し続けば簡単に国民の支持は離れてしまう事を意味する。
これから、ブレグジットに加えて、一向に解決しないギリシャ経済問題、そして再燃したシリア問題と、揺れるEUの舵取りを担うのが、経済の専門家(笑)なマクロンだと、不安要素が強い。*1
むしろ、イケイケのル・ペンがトランプと組んで、戦争に邁進した方が、時勢には合っている気もする。
まあ、流石にフランスでは、大番狂わせは無いと思うけれど。
閑話休題(それはさておき)
トランプに代表される、ちょっとアレな首相や大統領がガンガン誕生しまくっている現状、バブル崩壊からこっち短期政権と迷走政権が続いてた日本が、珍しく長期安定で実績を積み上げてる首相を擁いてるってのは、かなり幸運で有難い事なのに、アベ死ねとか言ってる連中は、代わりが務まりそうな政治家の当てがあって言ってるのか、本気で疑問。
そもそも、安倍首相が国内でなく、外交でしか成果を積み上げられない最大の理由が、国民の支持が盤石じゃなくて、国内の抵抗勢力が足を引っ張りまくっているからなのに、率先して足を引っ張る連中に与してるんだから、始末が負えないと言うか。

*1:特に、公務員の削減など、公共費を削って経済対策と法人税減税と言う辺り…日本で同じことをしたが、結果はデフレに陥り、企業は減税された分を社員に還元せず、企業留保の増大を招いただけであった