gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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クラスター爆弾、米唯一のメーカーが製造中止 受注減少で 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

【9月2日 AFP】殺傷能力が高く一般市民が多数犠牲となることから世界の大半の国々で使用が禁止されているクラスター爆弾の製造を、米国で唯一継続していたメーカーが今週、製造中止の方針を発表した。
ロードアイランド(Rhode Island)州に本社を置く航空宇宙企業テキストロン(Textron)は先月30日、クラスター爆弾「センサー・フューズド・ウエポン(SFW)」の製造を今後は行わないとひそかに発表していた。製造中止の理由として、販売数の落ち込みを挙げている。
SFWについて同社広報は1日、AFPに宛てた文書で「高性能かつ信頼性の高い空対地兵器で、米国防総省の政策にも現行の法律にも完全に準拠している」が、「受注が減少したことを考慮し、わが社の事業を顧客の今後のニーズに合わせて転換する決断をした」と説明した。
クラスター爆弾は2008年に国際条約で使用が禁止されたが、米国やロシアなど一部の国は参加していない
国際NGO「ハンディキャップ・インターナショナル(Handicap International)」が1日に発表した報告書によると、2015年には世界で死者・負傷者合わせて417人がクラスター爆弾の犠牲になった。このうち、シリアとイエメンでの死者・負傷者は計350人超に上り、シリアではロシア軍がクラスター爆弾を使用している「有力な証拠」も存在するという。(c)AFP

http://www.afpbb.com/articles/-/3099555

「米国やロシアなど一部の国は参加していない」と言うが、アメリカ、中国、ロシア、インド、韓国、北朝鮮、中東諸国などなど、あわせた軍事費は世界の7割以上に達する連中が「非加盟」なのに「一部の国」と言うのは、現実を見ないにも程があるんじゃないですかねぇ?なお、アメリカ軍がクラスター爆弾の発注減らして実質的に配備削減している事と、クラスター弾禁止条約を結ばない事は、矛盾しない。
クラスター爆弾は、面制圧力に優れた強力な対地爆弾ではあるのだが、この四半世紀以上、アメリカが必要としているのは非対称戦でピンポイントに目標を爆撃する精密誘導爆弾であった。
だから、死蔵して在庫になるだけのクラスター爆弾の在庫を減らし、精密誘導爆弾を揃えるのは理に適っている。
一方で、戦争になる場合は、非対称戦ではなく互角の総力戦になる中国、ロシアといった国が、クラスター爆弾の廃止を全く検討していない状況で、アメリカだけクラスター爆弾を廃止すれば、有事に一方的に不利になるから、クラスター弾禁止条約は無視する、と言うのもまた当然なのだ。
そんな中で、3大国のビックパワーの結節点にある日本だけが、対人地雷やクラスター弾禁止条約を結んだのは、ぶっちゃけ愚かとしか言いようが無い愚挙なのだが、まあ国内を対人地雷や不発弾まみれにして、少しぐらいの放射能汚染より深刻な禍根を残しても良いのか、と詰め寄られれば「国民の生命財産を守る、国防の為なら仕方ない」ときっちり反論しても「人非人」と罵られて政治生命が詰みかねない程に、国内世論がマスゴミ汚染されていたからなぁ。
余談だが、世界最大のクラスター爆弾製造輸出国は、中国である。
つまり、アメリカがクラスター爆弾の調達数を減らしたままであるって事は、現時点でアメリカは中国と戦争する気が全く無いと言う事でもある。
まさか、こんなニュースで、アメリカの「ブラフ」が透けて見えるとはなぁ…。