gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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インドでF16戦闘機生産へ=タタと合意−米ロッキード:時事ドットコム

【ワシントン時事】米航空機大手ロッキード・マーチンは19日、パリ国際航空ショーで、戦闘機F16をインドで生産することで印最大財閥タタのグループ企業と合意したと発表した。
ロッキードとタタ・アドバンスド・システムズの共同声明によると、インドで生産されるのは、F16の最新モデル「ブロック70」。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によれば、インド政府は100〜250機を発注する見通しという。
インドは老朽化した軍備の刷新を急いでいる。ただ、国内製造業の育成を目指すモディ政権は外国企業に対し、地元企業と提携し、インド国内で生産するよう要求していた。
一方、米国第一主義を掲げるトランプ政権も国内の産業育成と雇用拡大を図っており、ロッキードにもインドへの工場移管を見直すよう求めていた。(2017/06/20-08:37)

http://www.jiji.com/jc/article?k=2017062000314&g=int

アメリカの航空産業のアウトソーシングは珍しい話じゃない。
例えば、F15も翼の一部などは韓国で生産されているし、F35なんかは部品を世界中で作っている。
F16は名機であるが、アメリカにとっては既に老朽化した旧世代機でしかなく、F35によって置き換えられる事が決定されている。
ちなみに、ブロック70ってのは、F16E/Fのインド向け改修機で、F16IN、「スーパーヴァイパー」と呼ばれている。
しかしインドと言えば、ロシアと共同開発中のFGFA*1という第5世代ステルス戦闘機を開発中である。
ロシアから主力戦闘機を調達する一方で、アメリカから第4.5世代戦闘機であるF16E/F系列機をライセンス生産すると言うバランス外交をやり抜けている訳で、中国程に突き抜けた軍事費を使ってバリバリと軍拡するのではなく、米露と言う2大国家の隙間を上手く泳いで漁夫の利を得る外交感覚は、本当に素晴らしいとしか。
もちろん、東西の兵器を並行運用すると言う無理を通す為に、インド軍が多大な労力を支払っている事は、また別の問題として。
なお、インドと同様にロシア兵器を調達した韓国軍では、ソビエト崩壊後の経済ボロボロなロシアの足元を見て大量に調達した兵器類が、まともに整備できずにガラクタに堕している。
オチとして、天然ガスの輸出で経済回復した後のロシアは、補修部品の価格を値上げして韓国に意趣返しをしたので、問題発覚後にロシア製兵器類の再整備する事すらできなかったと言う。
まあ、自業自得である。

*1:PAK FAのインド向け派生機