gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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新空母巡り英ロが応酬 クイーン・エリザベス出航  :日本経済新聞

【モスクワ=共同】英海軍史上最大の軍艦となる新空母「クイーン・エリザベス」が初の試験航海に向けて英北部の造船所を出発した。これを巡り、英国のファロン国防相がロシア空母と比較して「ロシアは嫉妬して目撃することになるだろう」と述べ、反発したロシア国防省が「高慢な発言だ」と発表するなど、両国の応酬となった。
排水量6万5千トン、全長約280メートルで2020年の配備が予定される新空母は26日、試験航海で北海へ出発。ファロン氏は英紙デーリー・テレグラフに「ロシアはいつものように情報収集活動を行うだろうが、彼らが近づきすぎないように予防措置を取る」と発言、ロシア潜水艦に対応するため空母に駆逐艦などを随伴させると述べた。
ファロン氏はさらにソ連時代に建造され、シリア内戦の対応で地中海にも展開したロシア海軍唯一の空母「アドミラル・クズネツォフ」を「荒廃している」と形容。「ロシアは新空母に感嘆することになる」と語った。

これに対しロシア国防省は29日発表した声明で「新空母の外観がロシア空母に勝っているとの英国防相の興奮した発言は、海軍実務への無知を示す」とファロン氏を批判。英空母は潜水艦などの艦艇に周囲を守られながら航空機を発進させられるだけで、ロシアの空母には対空、対潜水艦、対艦のミサイル装備があると主張した。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM29H94_Z20C17A6FF1000/

まあ、客観的に見てロシア側の反論の方が、悔し紛れなのは事実なんだけどね。
ロシアが自慢しているVLS搭載の各種ミサイルは、中国ですら「空母には不要」と除去した機能であり、純粋な空母としての機能を求めるなら、単なるデッドウエイトなので。
しかも、頭がおかしい事に飛行甲板前方中央部、戦闘機が離発着するスキージャンプ台の手前に、対艦巡航ミサイルP−700グラニトのVLSを埋め込んでおり、発射の際には艦載機の離発着は出来ない。
加えて、クソデカい巡航ミサイルのケツが邪魔で、格納庫がその分狭くなるなど、流石にロシアも問題と気づいたのか、今年から大規模改修に入る予定で、その際にVLSの除去を決定しているらしい。
…そもそも、大規模改修は主機の交換から艦体の延長まで含む大規模なもので、最低5年はドック入り確定なので、ロシア唯一の空母を長期間使えなくするより、新造した方が良いんじゃないかとさえ言われている。
そんな老朽艦と、4万トン級の軽空母とはいえ、最新型のクイーン・エリザベス級航空母艦を比較したら、そりゃ、負けるだろう。
余談だが、本来は電磁カタパルト搭載で空母型の固定翼機(F35C)を搭載予定だったが、主に予算不足を理由に、カタパルトやアレスティング・ワイヤーを装備しない、SVTOL機(F35B)運用を前提とした軽空母に計画変更されている。(それすらも2転した…)
更に、イギリスの予算不足は深刻で、既に建造が決定している2番艦プリンス・オブ・ウェールズは進水前から「予備役」が確定しており、艦載機は1隻分しか調達しない、という状況を通り越して、プリンス・オブ・ウェールズをインド海軍に売却すると言う話すら浮上している。
イギリス海軍はどんだけ酷い状況なんだ?