gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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地場産業が“消滅”すると、コミュニティは崩壊する──工場群が中国に一斉移転した米都市の現在|WIRED.jp

米国ニューヨーク州北部の街は、かつてナイフ製造業によってコミュニティが成り立っていた。しかし、工場が中国に移転してしまったことで、そのコミュニティが崩壊しつつあるのだという。写真家ジェイソン・コックスヴォルドが、その様子を捉えた。
(中略)
ニューヨーク州北部につくられたナイフ工場の数々は、100年以上にわたって雇用を生み、地方都市のコミュニティの一部となっていた。同州ワワージングにはナイフ博物館がつくられていることからも、彼の地におけるナイフ製造の重要性が伝わってくるだろう。
ところが、2004年に状況が一変する。シュレードの工場が一斉に中国へと移転してしまったのだ。工場はこの土地から姿を消し、仕事を失った人々が500人以上も残されてしまった。
この結果、都市のコミュニティが変容しはじめた。刑務所がその地域最大の雇用を生み出す場となったが、職を得られない人も多く、精神障害にかかったり薬物に溺れたりする人が増えてしまったという。
(後略)

https://wired.jp/2017/08/31/knives-jason-koxvold/

失業者500人で地域コミュニティが崩壊して、住人が変質って、ニューヨーク州北部って人口過疎地なのか?
と思って調べたら、ニューヨーク州は人口1975万人。アメリカで3番目に人口が大きい州である。
おかしいなぁ、と思ってみれば、シュレードは移転ではなく、メーカーの統廃合に伴って会社自体が無くなり、ブランドの名前として残ったらしい。
つまり、元々、地場産業としては斜陽だったのだろう。
で、工場があったのは「エレンビル」という「村」だった。
2010年の時点で、人口4135人。
そんな村で、一気に3桁の失業者が出れば、そりゃ、デカイわなぁ。
しかし、逆に言えば「エレンビル村の問題」であって、一つ上の行政区である「ワワリング町」や、その上の「アルスター郡」のレベルで見れば、幾らでも吸収可能な失業者数に見える。
日本で言うなら、村人が失業したので、町の方に働きに行く、市内で仕事を探す、と言ったイメージだろうか。
そりゃ、外に働きに出る「村人」が抜ける分、「村」というコミュニティは変化するだろうけれど、それと精神障害とか薬物依存とかは、もう別の問題なんじゃないのかと…。