gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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町導入の中学校給食「まずい」食べ残す生徒続々 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

神奈川県大磯町が昨年、町立中学校で導入した給食事業を巡り、多い時でご飯やおかずの半分以上が食べ残される異常事態が続いていることが町への取材でわかった。
生徒からは「味や見た目が悪い」という“致命的な欠陥”を指摘する声が相次いでおり、危機感を抱いた町は生徒や保護者らを対象とした緊急のアンケートを実施。献立などの見直しを急ぐ考えだ。
(中略)
給食を終えた2年生の1クラス31人の中で、おかずを完食したのはわずか1人。ほとんど手をつけなかった生徒もいた。保護者からは「こんなに食べられていないなら、やめた方がいい」という声が上がったほどだったという。
国府、大磯の町立2中学で給食が始まったのは昨年1月。町は綾瀬市の業者に調理と配送を委託するデリバリー方式を採用し、食材の発注と献立作りは町職員の栄養士が行っている。2校の生徒は計約760人で、業者への委託料は年間約3300万円。保護者はこのうちの一部に当たる月額4900円を負担する仕組みだ。
(中略)
献立は栄養バランスやカロリーなどに配慮して作られていたが、当初から「味が薄い」「見た目が悪い」「おかずが冷たい」などと不評だったという。
町によると、食べ残しの割合を示す「残食率」は平均26%で、55%に上る時もあった。環境省が2015年に調査した小中学校の全国平均6・9%と比べて突出している。
(後略)

http://www.yomiuri.co.jp/national/20170914-OYT1T50064.html

…?
計算がおかしくね?
月額4900円で760人、長期休みを考慮して、支払いは10か月と仮定して、3724万円になる筈なんだが、「一部負担」なのに業者に支払っているのが、年額3300万円ってどういうこと?
更に言うと、760人の年額3300万円って事は、年間登校日数が200日と仮定して、1食217円となる。
これは、明らかにまともな給食なんて作れる筈が無い金額だ。
給食の保護者負担が、1食250円以下になるのは一般的だが、実際には、行政負担も含めると、1食辺り500〜800円になると言われている。
この記事が間違えているのかもしれんというか、間違えてるだろコレ。
さて、この問題だが、大きく2つの理由があるとされている。
1つは、デリバリー方式であること。
昔の給食は、校内に調理室があって、汁物などの一部の料理を校内調理していたのだが、設備投資に加えて衛生管理や人件費など、どうしてもお金が掛かると言う事で、最近は校内に調理室を設けず、デリバリー方式が主流になっている。
これの評判が、とてつもなく悪い。
理由は簡単で、衛生に関する文科省の基準で、暖かいまま運んじゃダメだから、わざわざ冷蔵庫で10度以下に冷やして送るのだ。
学校に電子レンジ、それも全校生分の物が有る筈も無いので、冷たいオカズを冷たいご飯で食べると言う、今時ならコンビニ弁当でもありえない劣悪な食育環境が爆誕する訳である。
想像して欲しい、美味そうな熱々のステーキを、冷蔵庫で10度以下に冷やしてから、モソモソな冷たいご飯で掻き込む食事を。
どんな素晴らしい料理でも、不味くなること請け合いだ。*1
この点は、あちこちで問題になっていて、一部の学校では再加熱する為のスチームオーブンを導入したりしている。
2つ目の理由は、委託された業者が、非常に評判の悪い業者であったこと。
元々は幼稚園向けのデリバリー給食がメインの会社らしいのだが、親の試食会などでは文句は出ないのに、何故か食べる子供達からは不味いの大合唱、と言うアレげな会社で、恐らくは学校や行政の試食では、美味いのが出たんだろうな…きっと。
平均残食率26%、多い時は55%って、ハラペコな中学生が出す記録とはとても思えない事からも、不味さが想像できるだろう。
わしの記憶にある中学校給食なんて、よっぽど不人気メニューでもなければ1割も残食される事なんて無かったよ。
そもそも、上で書いたとおり、昨今はデリバリー式の給食が一般的なのに、この学校だけ突出して残食率が高い、と言う時点で、問題が業者側にある事は間違いないんだし。

*1:元々、冷たいまま食べる事を前提にした料理を詰める弁当文化があるが、昨今では弁当もレンチンするのが当たり前になっているし、冷えても美味しい料理と言う物は限られていると言うか、やはり暖かい方が美味しいのである