gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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潜水艦生存者の捜索終了 アルゼンチン沖で不明 - 産経ニュース

南米アルゼンチンからの報道によると、同国南部沖で11月15日から消息を絶っている潜水艦サンフアン(乗組員44人)について、海軍当局者は11月30日、生存者の捜索活動を終了すると発表した。海底での艦体の捜索は続けるとしている。
艦内の酸素は7〜10日間程度しか持たないとされていた。当局者は「救出の可能性のある時間の倍を費やした。人命を保護するという目的での捜索活動は終了する」と述べた。
同艦は15日朝、南部バルデス半島の沖合約430キロの海域で連絡が取れなくなった。

http://www.sankei.com/world/news/171201/wor1712010021-n1.html

こればっかりは、仕方がない。
もし、原潜だったならば、酸素や水はいくらでも電力と海水から作れるので、食料が尽きるだろう数カ月先まで生存の可能性はあったかもしれないが、通常動力潜の場合、艦内の酸素は「可能な連続潜航時間」分だけしか用意されていない。
そうりゅう型のようなAIP推進で、最大2週間の連続潜航が可能な通常動力潜ならともかく、通常のディーゼル潜の連続潜航時間は、最大2〜4日とされている。
安全係数を200%に見込んで8日分準備されていたら、御の字だろう。(実際はそれ以下だろう)
だから「艦内の酸素は7〜10日間程度」ってのは、本当に艦内の全ての空気を使った場合、と言う、かなり希望観測的な理想値である事は間違いなく、そしてその希望すら断たれた。
あとは、数人が潜水用の酸素ボンベなどで生き残るくらいの可能性だろうけれど、それだってプラス1日程度の儚い命綱に過ぎない。
それに、発見されたからと言って、即座に救出できるとは限らず、引き上げが必要な状態だったら、更に時間が掛かる訳で…。
なお、この「最大連続潜航時間」は、重要な軍事機密なので、「7〜10日間」と幅を持たせているのは、特定を避ける為。
とはいえ、あえて機密保持のため、本当なら「不可能な数字」を提示した可能性もあるので、実はとっくに昔にアウトだったのに、軍事機密の保持と、人道的な理由で救助体制を続けてた可能性も十分に高い。
軍事機密の業の深さは、アレだから。