gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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F35B搭載研究、防衛相明言 護衛艦いずも「空母化」:朝日新聞デジタル

小野寺五典防衛相は2日の参院予算委員会で、海上自衛隊最大の護衛艦「いずも」について、最新鋭戦闘機F35Bの搭載も視野に入れた研究を行っていることを明らかにした。事実上の「空母化」を想定したもので、日本政府が憲法保有を禁じてきた専守防衛の範囲を超えるものとして野党が反発を強めている。
小野寺氏が同日の予算委で、共産党小池晃氏の質問に答える形で初めて認めた。「いずも」は全長248メートルのヘリコプター搭載護衛艦(DDH)。海上自衛隊が2016年末に「DDHの航空運用能力向上にかかる調査研究」を民間企業に募集した段階では、いずもに「新種航空機」を運用するための必要な性能などを検討する、と説明しただけで、具体的な機種などは明らかにしてこなかった。
F35Bは米国製の最新鋭のステルス戦闘機で、航空自衛隊保有するF35Aとは異なり、短距離滑走で離陸したり垂直着陸したりできる。小野寺氏は答弁で「いずもについて、最新の航空機のうち、どのようなものが離発着可能なのか、代表例としてF35Bを調査している。今後の結論を予断せずに、さまざまな基礎的な情報収集をするものだ」と述べ、研究自体は認めた。
(後略)

https://www.asahi.com/articles/ASL32574KL32UTFK01J.html

あくまでも、研究目的ね。
何度も書いているが、最初からヘリ空母として開発されている「いずも」は、ジェット戦闘機のプラットフォームとしては小さすぎて、「いずも」を転用するぐらいなら、新造した方が効率が良い。
ヘリを諦めて、全部をF35Bに置き換え、設備の効率化をしたとしても、10機載るかも怪しいレベルな訳で、貴重な対潜ヘリ空母を、2個小隊のF35Bを運用する為だけに使い潰すのは、あまりにも効率が悪いからだ。
コレを以て「攻撃型空母だ」とか抜かすのは、あまりにもお粗末な反応だろう。
実際、アメリカの海兵隊が使うアメリカ級強襲揚陸艦は、いずも型護衛艦の2倍近い排水量を誇っており、それでもなお艦載機運用能力は、ヘリとF35Bを混載して30機とされている。*1
日本が水陸両用部隊としてF35Bを配備するなら、最低限、これだけの規模が必要な訳である。
であれば、中国が遼寧を練習空母として、空母運用の研究に供しているように、いずも型護衛艦でF35Bの運用訓練を積む事は、将来的に取得するだろう強襲揚陸艦に向けた研究または準備、と言う事になる。
この点に、政府発表との矛盾は無い。
ただ、本当に強襲揚陸艦を取得するなら無駄にならんけど、研究の為だけにF35Bを少数導入ってのは、あまりにも費用対効果が悪い。
アメリカからレンタルして評価試験できるならともかく、購入という話なら、強襲揚陸艦の導入は確定にしないと、金の無駄になるかも。
その意味で、F35Bの話が出て来た時に、「購入」の話が最初から漏れ出てきたのは、「そういうこと(ないていずみ)」なんだと思う。

*1:中国の国産空母、山東はJ15が36機運用可能と称しており、ヘリや連絡機などとあわせて50機から60機運用可能と推計される。強襲揚陸艦正規空母とでは、これだけ能力差がある