gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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布団作りの職人さんが息子さんに「目で盗め」とは言わず最初から技術を丁寧に教えた結果→技術はしっかり伝えた方がいいと思った→様々な意見 - Togetter

この話に関しては、「こういう理由もあるんではないか?」で言及されている「ライバルを育てる行為であり、動機が無い」という点に強く同意する。
以前、IT業界で、「後輩にガッツリ教える事で俺が楽になるんだよ」と言ってる男前なパイセンが Togetter で纏められていたが、人材流動の激しいIT業界では、「使えるようになった人材は、流れる」のだ。
育てても、育てても、すぐに手元から離されてラクにならない職場だったら、後輩に教える手間だけが積み重なる。そんな状態なら、男前なパイセンでも折れてしまうだろう。
しかも、会社は「教育にかかるコスト」は忖度しないで、生産性だけで評価する。
結局、この手の問題は「教育する事で得られるメリットが教える側に無い」というのが究極的にある。
職人にしても、実子ならともかく、「弟子」なんてのは究極的にライバルなのだ。
そりゃ、一子相伝の秘伝、なんてのも作るし、目で盗め、と不合理も言うだろう。
ただ、自身が経営主である「職人」なら、これでも良いんだけど、企業の様に「職能が属人化すると困る」場でも、技術の継承に問題が発生して居るのは、上に書いたとおり、教育する事を評価せず、その癖に教育コストをケチって支払わず、むしろ属人化した職能を評価してしまう経営者の問題が100%だと思う。
あと、シェア自体が無くなりつつある伝統技術分野で、後継者不足が叫ばれる現状になっても「目で盗め」と言い続けるような状況は、滅んでも自業自得だとは思う。
ただまあ、優秀な技術者が、優秀な伝道者とは限らない、むしろ優秀であればある程に教えるのが下手な可能性が高く、「自分が覚えたやり方」を強制するしかできない、という可能性もある。
それは不幸な話だが、それで滅んでしまうのは、淘汰の一つではあると思う。