gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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マフィア梶田が切り込む「Fate/Grand Order」。奈須きのこが追求する理想と,やがて迎える終焉のカタルシス - 4Gamer.net

配信から3年目にして,「日本ゲーム大賞 2018」の「年間作品部門 優秀賞」を受賞し,2018年上半期にはついに世界セールスの第1位に輝いたスマートフォン向けRPGFate/Grand Order」(iOS / Android。以下,FGO)。TYPE-MOONとディライトワークスによって開発された本作は,新章追加やアップデートのたびに大きな話題となるなど,スマートフォンゲームの代表格として,第一線で活躍し続けているタイトルだ。
(中略)
そして今回,「FGO」の公式番組である「Fate/Grand Order カルデア放送局」のメインMCを務めるマフィア梶田からの提案により,“奈須きのこ氏×マフィア梶田”という異色の対談が実現。
(中略)
奈須氏:
はい。ここでは「奈須きのこは監修やディレクション以外に何をしているのか?」というプレイヤーの問いかけに,キッチリと答えたいです。
 まず,いちライターの仕事として,自分の担当となる章,設定を作成したサーヴァントの幕間やボイス全般,持ち回りのイベントなどを執筆しています。
次に,監修ライターとしての仕事は,メイン各章のイントロとアウトロ,メイン各章におけるシナリオ中心に関わる部分の作成……第1部で言うならロマンやダ・ヴィンチ,マシュといったカルデアチームのセリフまわりや大切なシーン,第2部だとゴルドルフ新所長や少女ダ・ヴィンチ,シオンといったベースチームのセリフ……を執筆させてもらっています。
あとは,担当ライターさんによる成果物のチェック,テキスト調整・監修があります。その具合で言えば,イベントシナリオに関しては2割程度,メインシナリオは3割程度手を入れます。細かくなりますが,第2部メイン章は第2章から自分の監修は1割ぐらいにして,担当ライターさんの力量にお任せしています。第2部の空気感はロシア編の監修で各ライター陣に共有できたので,このテーマでみんなに思い思いの異聞帯を書いてもらったほうが絶対にいい,と判断したので。
最後に監督としては,全体スケジュールの構成やイベント内容の提案,ゲーム中のさまざまなデータの監修と調整,というところでしょうか。
梶田氏:
そんなに!? にわかには信じ難い仕事量なんですが……。
(中略)
梶田氏:
実際にお話を聞くまで,TYPE-MOONはもっと監修だけに徹しているというイメージを抱いていました。蓋を開けてみればガッツリと開発の中心にいて,今さらながら「ああ,やっぱり『Fate』なんだなぁ」と。
(中略)
奈須氏:
ローンチ段階ではゲームシステムも演出も未熟でしたし,ストーリーの核も見せられない状況でした。どこを楽しめば良いのかと,プレイヤーさんを困惑させてしまったと思います。初期の頃は本当に最後まで作れるのかという不安と,完成度に対する不満がなかったと言えば嘘になります。
(中略)
奈須氏:
ローンチの直後,トップを集めて問題点の洗い出しと対処への優先順位付けを行いました。そこでこちらから出した大方針は,「3か月,全力で対応する」「何も変わらないようであれば,このプロジェクトは畳む」の2点です。幸い,なんとか12月までには必要最低限の機能を用意することができました。……戦闘の2倍速モードとかですね。
(中略)
奈須氏:
ローンチ当日,インストールして1時間後のTYPE-MOON内部での炎上っぷりはすさまじかったですよ。先に動いていたプロジェクトをストップしてまで「FGO」に取り掛かっていたので,「その結果がこれですか!?」と,プレイヤーの皆さんが怒り出す前に内部スタッフからお叱りを受けました。
お月見イベントまでの1か月間,我慢して遊んでくださっていたことには本当に感謝の言葉もありません。「Fate」という看板に助けられたと思います。
梶田氏:
Fate貯金”ですね。ただ,いちプレイヤーとして意見を言いますと我慢できた要因はそれだけじゃないです。これは「TYPE-MOONエース」のコラムにも書かせていただいたんですが,ローンチ直後がクソゲーだったことは否定できなくとも「FGO」には不思議なオーラがありました。「なぜだか分からないけれども,このゲームを続けていればとても美しいものを見せてくれそうな気がする」という確信めいた予感があったんです。
(中略)
奈須氏:
ああ,これも話したいことのひとつだったのですが,サーヴァントのシナリオ上での設定をゲーム上での性能に落とし込む調整は,ローンチから現在まで全部アザナシくんがひとりでやってくれています。
梶田氏:
え,冗談ですよね?
奈須氏:
マジです。というか,はじめに作った「決まり」に添って,サーヴァント性能をしっかり管理してくれています。バトル調整はディライトワークスさんのバトル班のみなさんが日夜頑張ってくれていて,メインストーリーとイベント,どちらの戦闘もシナリオの意図が反映されつつ,面白いバトルを作ってくれています。
アザナシくんはサーヴァント性能のお父さんですが,そのほか,礼装やコマンドコード,メインストーリーとイベント両方の「シナリオをRPGとして再現する」ディレクションもしてくれています。
梶田氏:
術ギルみたいだぁ……。過労死しちゃいませんか?
(中略)
奈須氏:
今,僕の時間の半分は「FGO」に使っています。古くからTYPE-MOONを応援してくれている人達からは「浅い」と言われてしまうんですが,より広い層に楽しんでもらえるように間口を広げた結果として,最初はそう見えるかもしれません。
ただ,実際のところコアの部分は変わっていなくて,遊び続けてもらえば最後には「今までどおりのTYPE-MOONだ」と思ってもらえるような形を目指して作っています。どうか,最後まで付き合ってください。最初から全力でコアを曝け出していく今までのTYPE-MOONとは感じ方が違うとは思います。でも,根底は同じなんです。
(中略)
奈須氏:
用意したプロットとしては,第2部で終了する予定です。なので第2部までにできること,やりたいことを全部やり切るつもりです。……怖いのは,プレイヤーさんに「まだ続きを見たい」と言われてしまうことですね。
梶田氏:
あぁ……それは100%言われると思います。
奈須氏:
そうなった場合,「FGO」であれば“終わりの先”を描くことになるんですが,正直に言って地続きなお話にするのはかなり大変です。……可能ではあるんですが。
例えるなら「UNDERTALE」で最高のエンディングを見たあと,最悪のエンディングへ自ら歩んで行くような……。
(後略)

https://www.4gamer.net/games/266/G026651/20181228023/

正直、第2部で「終わり」を明言された事より、DWがIT業界で言う「力仕事」を提供しているだけで、実際のコアでクリエイティブな部分は全て、Type−Moonにべったり「寄生」している事が、これで明確になった事の方が、個人的には大きいニュースだと思う。
月姫のリメイクが出ない、まほよの続きが出ない、その最大の元凶が、FGOだと確定したから。
つまり、残り4章(ロストベルト4〜7)、おそらくは最低でも1年、収益的には引き延ばして2年は掛かるメインストーリーがクローズするまで、月姫もまほよも、BBBも全部、止まったまま。
現状、FGOと並行で動けているのが、HF劇場版のような「これまでの貯金」か、プリヤやエミヤごはんのような「別作家によるスピンオフ」とか、である理由が明確になり、おそらくその「貯金」が切れる来年は、奈須きのこが直接手掛けるような大きな新作発表は無いのではないだろうか。
そして、DWがType−Moonが無くても運営できる、リアルイベントとかボードゲームばかりに傾倒するのは、「それしか彼らには間を繋ぐ方法が無いから」だと判る。
ローンチ直後について語る部分は、明らかに、このままDWに任せて居られない、と現在の「寄生」体制になった説明としか思えない。
正直、FGOの儲けの5割以上は、Type−Moonが持ってっても罰は当たらん気がするけど、絶対そんなに金は貰っていないと思う。
なんつーか、この天才的な人気クリエイターに寄って集って周囲だけが利益をちゅーちゅー吸うやり方は、月姫やらひぐらしといった同人ゲームが、「クリエイターが直接利益を得られる流れ」を作った時に壊れたように見えたけれど、結局は元の状態に回帰してしまったよなぁ…。
閑話休題(それはさておき)
今まで、エイプリルフール企画で、贅沢に1日だけのアプリを使い捨てにしてきたType−Moonなので、「第2部で終わり」となれば、おそらく最終章が提供された後、そんなに間をおかずFGOのサービス全体をクローズしてしまう可能性が高いと思う。
また、現時点で「次回作」を進める余裕がある筈も無いので、記事で言及されていたような、新システムによる「新しい何か」というのは、FGO終了直後から開始ってのは、無理だと思う。
そして最後に、「最高のエンディングを見たあと,最悪のエンディングへ自ら歩んで行くような」に関しては、EXTRAのアニメ版で盛大にコケてるっぽいので止めておけ、と言いたい。
あと、観測気球の心算かわからんけど、ソシャゲで「明確な終わり」を見せるのは、非常に不味いと思う。
少なくとも、課金率は下がるから。
今、メインでプレイしているソシャゲなんて、来年4月にサービス終了する以外に無いだろう的なストーリー展開に突入しているが、現時点で一切、サービス終了を匂わすような告知は無いし、毎週のようにガンガン新カードを投入している。
心理的に、明確な終わる時期が判っているゲームに追い銭は出せないものだから、普通は、そうするもんなのよ。
これで売り上げがガタ減りしたら、どーするんだろう。
後追いの海外展開の方にも影響するだろうに。
あと、来年のイベント配布鯖は、復刻しない可能性も高まったな…。