gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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中国、非核兵器として最強の威力を持つ爆弾、通称「すべての爆弾の母」を開発 : 大艦巨砲主義!

【1月5日 AFP】中国国営メディアは、非核兵器として最強の威力を持つ爆弾、通称「すべての爆弾の母(Mother Of All Bombs、MOAB)」の「中国版」の実験が行われたと伝えた。MOABは米国がアフガニスタンで使った兵器の呼称。
国営兵器メーカー「中国兵器工業集団(Norinco)」のウェブサイトで公開された短い動画には、大型の爆弾が平原に投下され、巨大な火の玉と黒煙が発生する様子が捉えられている。
国営新華社(Xinhua)通信は2日、ソーシャルメディア上でこの爆弾について初めて伝えた際、「中国版の『すべての爆弾の母』」と表現。核兵器以外では最も強力な爆弾だと説明した。
爆弾は中国のH6K爆撃機から投下されたが、実験が行われた日や場所、爆発の規模に関する詳細は伝えられていない。
MOABは米国が保有する兵器の中でも、従来型の爆弾として最強の威力がある。同国は2017年、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が使っていたアフガニスタン東部のトンネル網を破壊するため、MOABを使用した。
中国国営タブロイド紙、環球時報(Global Times)は4日、軍事専門家の話として、中国が今回爆発させた爆弾は全長が5〜6メートルあるものの、米国のものより軽いと伝えた。一方、爆発の威力については、「地上の防衛施設を容易に吹き飛ばす」ほど強力だとした。(c)AFP

http://www.afpbb.com/articles/-/3205100

GBU−43/B(MOAB)は、ネタに近い渾名(ペットネーム)であって、名前と実体には特別に相関がある訳でもない。
ロシアはこれに対抗して、4倍の破壊力を持つサーモバリック爆弾、全ての爆弾の父(FOAB)を開発したと宣言しているが、大きすぎて爆撃機から通常投下できず、輸送機から橇で滑り落とすしかない運用とか、実戦未投入である事から、「政治的な意図で作られた非実用品」という評価である為、実戦配備されている「非核兵器として最強の威力を持つ爆弾」として、MOABの名前が出されるだけで…。
ついでに言うと、MOABは爆弾として特に開発が難しい訳でなく、単に「とても用途が限られている」から、アメリカやロシアといった、超大国以外では使い道が無いので、真面目に開発しているのがアメリカぐらいしかないだけの話。
「とても用途が限られている」のは、元々この爆弾が、「完全に制空権が取れる場所」で、「硬防護済みの地下軍事施設」を攻撃する為だけに作られた爆弾だから。
その意味で、

爆発の威力については、「地上の防衛施設を容易に吹き飛ばす」ほど強力だ

http://www.afpbb.com/articles/-/3205100

という発言は、開発した爆弾の用途を間違っている、と言う笑い話にしかならない。
アメリカと中東諸国の様な非対称戦で、アメリカが一方的に爆撃できる状況だから、こんなデカくて使い道の狭い爆弾が有効なだけで、米中戦争とか、日中戦争とか、中露戦争とか、中印戦争のような、装備的に互角な国同士の戦争では、こんな「大物」を悠長に使うような状況が発生しないから、あんまり意味が無い。
無理に使おうとしても、爆撃機や輸送機ごと撃墜されるから。
中国が中華MOABを安全に落とせる国って、周辺国だと韓国とか北朝鮮、台湾ぐらい。
その内、北朝鮮は味方だし、韓国も台湾も、悠長に爆撃できる普通の戦争やったら、即座にアメリカが参戦してくるので、すぐに使えなくなるし…。