とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫)

発売直後くらいから、ガガガ文庫には珍しい良作だという評判があった事は知っており、発売から一ヶ月以内に手に入れてはいたのだが、某掲示板で目に入ってしまったネタバレ(らしい書き込み)に

皇妃様の初恋、しかして身分違いの恋
ＮＴＲ系バッドエンド

という感じの感想があって、
エエｴｴェェェｪ(゜Д゜；)ｪェェェｴｴエエ
とドン引きしたまま、自分には珍しい積み本として転がっていたのだが、読む本が尽きて、取り立てて進めたいゲームも無かったので、読んでみた。
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これを「ＮＴＲ系バッドエンド」と読める人は、少々ココロに難がある人だと思う。
皇妃になったという事は、ボンクラ皇子と結婚した事は確定だし、わかりやすい意味でシャルルとファナは結ばれなかったけれど、結婚して子供作って幸せに暮らしました、だけがハッピーエンドと言うわけじゃない。
ファナを主人公にした成長の物語とすれば、初恋が綺麗に終わった事自体がハッピーエンドといえる。
その上で、わざわざ最後に物語の結末を読者に委ねているし、これで不幸せな結末しか想像できないのは、アレかと。
…もしシャルルがファナを攫って逃げていたら、高い確率で二人とも不幸になっていたと思われる世相だし。
閑話休題。
「ラインナップは奇襲と飛び道具オンリー。得意技はバックスタブ」といった感のあるガガガ文庫としては、珍しくも判りやすいシンプルでストレートな作品で、電撃文庫あたりで出てたら埋もれていたかもしれないという点で、レーベルのカラーにも助けられた良作だと思う。
ただし、２匹目のどじょうは居ないと思われる。