gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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燃料系バルブ故障が根本原因=主エンジン逆噴射中断に―あかつき失敗・宇宙機構 (時事通信) - Yahoo!ニュース

探査機「あかつき」の金星周回軌道への投入失敗は、主エンジンの燃料系逆流防止バルブが正常に開かなかった故障が根本原因と考えられると、宇宙航空研究開発機構が27日、文部科学省宇宙開発委員会の調査部会に報告した。エンジンへの燃料供給が不十分となって異常燃焼か噴射口の破損が起き、噴射方向がずれて姿勢が乱れた結果、逆噴射が中断したという。
このバルブ(米国製)は、燃料をタンクから押し出す高圧ヘリウムガスの配管にあり、燃料の逆流を防ぐ役割がある。宇宙機構はバルブが故障したメカニズムや、エンジンの燃焼に与える影響を解明するため、来年7月にかけて地上で再現実験を行う。
あかつきは6年後に金星に接近する機会があり、宇宙機構は周回軌道投入に再挑戦する方針だが、この再現実験の結果により可能か判断する。 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101227-00000019-jij-soci

こと専門知識が必要になる分野に於いて、新聞記事はあんまり当てにならないので、複数の記事を平行して読みつつ、直接JAXAのHPと、科学ジャーナリストのプログを中心に情報を集めてみた。*1
少なくとも、10日の時点でJAXAは軌道投入の失敗原因を5つに絞り込み、逆流防止バルブはその1つという認識であった。
そこから、更に絞り込んで5つの失敗原因全てが逆流防止バルブの閉塞で起こり得ると判明し、更にその閉塞に至った原因を15に絞って再検証を予定し、検証スケジュールは来年7月までかかり、その時点で再投入の可否が決まるらしい。
現時点で、明らかにレベルが低い新聞記事は、朝日新聞*2くらいで、他はあの毎日新聞を含めて比較的JAXAの発表内容を可能な限り語弊無く伝えようとした努力が見受けられる。
閑話休題
国民としてはもったいないから、6年後に再投入できるなら「あかつき2」は要らんだろう、という意見になるが、6年間もプロジェクトを塩漬けにするくらいなら、今回の失敗原因をフィードバックした「あかつき2号機」を次のウインドウに合わせて作り直して打ち上げた方が、3年後には火星到達が見込めるので、宇宙技術開発と火星研究と言う観点では正しく、長い目で見ればコストも安いのだそうだ。
でも、この話は何処にも記事になってないね。
まあ、プレスリリースには一行も書かれて居ない話だからだろうけど。