シリア、全ての化学兵器を来週中に引き渡せば攻撃回避も＝米国務長官| Reuters

［ロンドン　９日　ロイター］ - ケリー米国務長官は９日、シリアのアサド大統領がすべての化学兵器を来週中に国際社会に引き渡せば、攻撃を回避できると述べた。ヘイグ英外相との共同記者会見で語った。
ただ、会見後間もなく、アサド政権に対し実質的な申し出を行ったわけではないとし、発言内容を明確にした。
(後略)

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE98807L20130909

一応、出来るはずも無い、とは言っているが、随分とトーンダウンしたなぁ…。
今回の攻撃には、ＡＢＣ兵器の無制限使用を抑止する為の、懲罰的な意味合いがあったはずなのだ。
なのに「貴様のやった事は人道に対する罪だ、国連軍による天罰を食らえ！」から「今、手を挙げて銃(毒ガス)を渡せば許してやる」までレベルダウンしている…。
結局、国連によるＡＢＣ兵器抑止(とか自国民に対する虐殺行為抑止)、と言う役割が主に中国とロシアのせいで機能しない、という現実が露呈してしまい、たかがシリア程度の国相手でこれだけグダグダになると、北朝鮮や中国が日本に核攻撃した場合の「核報復」が本当に行われるのか、「核の傘」に対する信頼にまで響いてきそう。
アメリカの軍事同盟国でもないシリアと、日本では立場が違う、と言うのもまた事実なんだけど、結局は普段の積み重ねがあればこその信頼な訳で、今回「ＡＢＣ兵器の使用は断固許せない」と口だけで終わったら、じゃあ、自国以外に対する核報復もやらないんじゃ…と思われても、まあ仕方ないよね。それでなくとも中国にはナメられてる状況だし。
…そもそも、自国民相手の虐殺に関しては、あちこちでスルーしてきた実績あるしねぇ。チベットとかダルフールとか。