gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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ビッグデータ分析で、中国政府による検閲の中身が明らかに:日経ビジネスオンライン

(前略)
−−−−ビッグデータ分析で最もびっくりした発見は何でしたか。
キング:1月に東京で開いた会議で、私は中国の検閲について調べた論文を発表しました。これまでも多くの研究者が少しずつ中国政府の検閲について研究していました。
(中略)
人海戦術で検閲している中国政府
中国政府は人の手で検閲しています。恐らく、20万人ぐらいの担当者がいて、一つひとつ投稿を読んで取り下げるかどうか決めていると思います。大人数とはいえ人手ですから、しばらく時間がかかる。そこで我々は彼らの目に触れる前に自動ダウンロードしてしまう。
分かったことは、中国政府が監視しているのは、とにかく「団体行動」であるということです。人を扇動したり、抗議行動に駆り立てたり、政府以外の人間が他人をコントロールしようとする発言は即刻検閲されます。「うちの市長はカネに汚いし、たくさん愛人を囲っている。最低だ」と批判を書き込んだところで、全く問題ありません。しかし、そのあとで「ひどすぎる。抗議に行こう」と発言したら、検閲される。
(中略)
政府は、自分以外の何ものかが人を動員するのが許せないわけです。それが、今回の研究で分かったことです。
(後略)

http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140124/258738/

中国の検閲・金盾が人力駆動と言うのは、かなり昔から言われていた話だけれど、ビッグデータが証明する事になるとは…。
面白いのは、中国共産党は「個人の自由」は認めても、「集団の権利」は絶対認めないという方針。
個人なら「脅迫から友愛まで、どのようにも制御し得る」という自信の表れであり、同時に「アラブの春」のようなネット由来の反政府活動を極端に恐れているのだと判る。
アラブの春」に関しては、体制の破壊にネット由来の反政府活動は有効でも、その後、継続的に新しい体制の維持・健全化・成長を促せるか、と言う観点では全く役立たずであり、「革命」と言うよりは「暴動」だったと結論せざるを得ない辺りに、限界があるのだが、逆に言えば「ネット世論ごときで倒されてしまうくらい広く国民の不満が蓄積している」という時点で終わってた、失敗国家の踏み絵になるんじゃないかと思われ。
もちろん、「アラブの春」を恐れる中国にとっても。