「こんなはずじゃなかった」三洋社員の恨み節 消える社名、ブランド、人 : SIerブログ

サンヨーはなぁ…。
経営者の無能が、下の勤勉な社員の努力で補えるレベルを超えてしまったのが、全ての不幸の始まり。
「戦略上の失敗は、戦術レベルの勝利をいくら積み重ねても覆せない」という戦訓を地で行く話。
大きく道を誤ったのが、００年代に入って中国にどっぷりとハマりこんで、ハイアールへ白物家電関連の技術を根こそぎ渡してしまった辺りで、まず一つ目。
サンヨーと言えば洗濯機と炊飯器を主軸に白物家電を売っていたが、洗濯機と炊飯器以外については２流の国産メーカーという評価しかなく、安価でサンヨーの技術が注入されたハイアールが売り出されると、ガッツリとシェアを食われる事となった。
それならそれで、白物家電は捨てて、経営資産の再構築すればよかったのに、エネループとか太陽電池とか二次電池分野など、個別にみれば世界的競争力がある分野があったのに、総合家電メーカーという地位に拘って、リソース分配に失敗したのが、２つ目の失敗。
白物家電分野で、ずるずると赤字を垂れ流すことになった。
次の試練は、地震大国日本で、地震保険をケチったお蔭で、２００４年の新潟県中越地震で半導体工場が被災、５００億円の大損害を自腹する事に。
この辺りでもう、経営的にはかなり詰んでて、リーマンショックで完全にトドメを刺された格好に。
パナソニックに買収されて子会社になったものの、パナソニックとしては重複する事業はバッサバッサと切り捨てる前提だったので、ガンガンとリストラで元サンヨー社員の首を切り、今は、最後のトドメを指している最中。
この元サンヨー社員のリストラに関しては、パナソニックもかなり下手を打ってて、あんまりにも容赦ないリストラのお蔭で、本来なら囲い込みしたかった優秀な技術者たちも残留ではなく退職を望んでしまい、サムソンやら中国企業などにヘッドハントされてしまった。
結果的に、元サンヨーの黒字部門のトップ技術者を囲い込み損ねたとか。
…まあ、日本企業は総じて人を大事にしないからなぁ…。