gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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痛いニュース(ノ∀`) : 政府、国産ステルス戦闘機「F3(仮称)」開発へ 戦後初、エンジン製造にめど・米国上回る技術 - ライブドアブログ

政府は航空自衛隊の戦闘機「F2」の後継機となるステルス戦闘機「F3」(仮称)を開発する方針を固めた。ステルス機用の強力なエンジン(推力15トン)の開発にめどがつき、国内技術だけで高性能戦闘機を製造できる見通しが立った。2015年度からエンジン開発を本格化するのと並行し、今夏から実験機による飛行試験を始める。米国との共同開発も視野に入れるものの、戦後70年の歴史で初めて世界有数の性能を持つ純国産戦闘機が誕生する可能性が出てきた。F3開発は数兆円規模を要する巨大事業となり、安全保障だけでなく経済、外交などさまざまな分野に影響が広がりそうだ。
F3に搭載するステルス戦闘機用の「ハイパワースリムエンジン(HSE)」は「先進技術実証機(ATD)」と呼ばれる試験機に搭載された推力5トン級の「実証エンジン(XF5)」の技術を生かしながら、IHIと防衛省技術研究本部が開発する。15年度予算の事業として心臓部の圧縮機や燃焼機、高圧タービンの試作に着手し、18年度をめどに試作エンジンを仕上げる計画だ。
世界的に見ても、15トン級の戦闘機用エンジンを作る技術を持っているのは米プラット・アンド・ホイットニー(P&W)やゼネラル・エレクトリック(GE)、英ロールス・ロイス(RR)など数えるほどしかない。
日本が戦闘機用のジェットエンジンを開発するのは初めて。これまでは純国産戦闘機を開発しようにも、米国からエンジンの供給がないと実現できないというジレンマがあった。1980年代に純国産の「次期支援戦闘機(FSX、後のF2)」を目指す動きがあったものの、最終的に米国との共同開発になった理由の一つもここにある。HSEの実現により初の純国産ジェット戦闘機の開発が視野に入る。
一方、ATDは今夏にも飛行試験を始める。F3に搭載するステルス技術やエンジン噴射の角度をコンピューターで制御して直進時にも機体の向きを自由に変えられる「高運動性能」などの実験を、2016年度まで約1年半にわたって実施。集めたデータを基に、18年度までにF3の具体的な開発計画を決める。スケジュール通りに開発を終えれば28年以降に順次、部隊に配備する計画だ。
「歴史的に大きな転換点になるだろう。日本にはステルス関連で、機体の構造や材料、エンジン回りの優れた技術がある」。左藤章防衛副大臣フジサンケイビジネスアイのインタビューで、F3への期待をこう語った。先の大戦の中盤にかけ、日本は連合国の戦闘機を圧倒した「零(れい)式艦上戦闘機零戦)」を開発するなど有数の航空機大国だった。しかし、戦後、GHQ(連合国軍総司令部)は軍需産業だけでなく、航空機産業も解体し、日本の航空機開発技術は世界に大きく立ち遅れた。
日本にはF2(米国との共同開発機)と「F1」(退役済み)の開発実績はあるものの、「支援戦闘機戦闘攻撃機)」として開発され、後に「戦闘機」に区分変更されたこの2機種の当初の主要任務は、侵攻してくる敵艦艇の迎撃。F2の一部部隊は外国機への緊急発進(スクランブル)任務にも対応しているが、戦闘機同士の戦闘能力はF2開発前から配備されている米国生まれの主力戦闘機、F15Jには遠く及ばない。
これに対し、F3は対空戦闘で他国の最新鋭戦闘機を凌駕(りょうが)する性能を目指している。戦闘機は一国の航空機技術力の象徴といわれる。戦後70年を経て初めて視野に入った一線級の国産戦闘機は日本の航空機産業の復権にもつながる、まさに「歴史的転換点」になる可能性を秘めている。
F3開発は需要創出を通じて経済にも貢献する見通しだ。左藤副大臣は「戦闘機開発には1100社以上が関連するので経済効果が大きい。雇用や新技術開発にもつながる」と指摘する。F3の調達機数は、退役するF2とほぼ同じ100機前後になる可能性がある。防衛省は、国産戦闘機の開発費用として5000億〜8000億円を見込んでいるが、戦闘機にはこのほか、製造や維持、改修、さらに耐用年数経過後の廃棄に至るまでさまざまな費用がかかる。
同省が09年時点に実施した試算によると、100機のF2の全費用を合計した「ライフサイクルコスト(LCC)」は3兆3523億円に上る。新たに戦闘機100機の費用として国家予算から4兆円の支出が行われた場合、同省は受注する航空機産業などで6兆9000億円の需要が、さらに所得の増えた関連産業の従業員などによる消費拡大などで1兆4000億円の需要が生まれ、経済効果は合計で8兆3000億円に達すると試算。これに加え、24万人の雇用機会が生まれるとしている。(佐藤健二

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150316-00000000-fsi-bus_all

期待したい気持ちは同じだが、期待しすぎもよくない。
ジェットエンジンの場合、推力が同じならエンジン重量との比である比推力が性能の基準になる。
中国辺りも、エンジン寿命とか、比推力を考えなければ推力15トンのエンジンを作れるだけの技術はあるだろう。
日本の場合、出来得るだろう技術的蓄積はあれど、政治的な制約で国内兵器開発が、開発規模と資金を含めて抑えられてしまい、実際に開発したことが無い、と言う点がボトルネックになって居る。
ついでに言うなら、欧州はともかく、アメリカのジェットエンジン技術は、比推力だけでなくステルス技術も含めた高いものなので、日本が一朝一夕に追いつけるものでは無い事は弁えておくべきだろう。
あとは、今の日本政府は極めて保守的な官僚制度によって運用されて要る為、殊技術面においては、「冒険を嫌う」傾向が強い。
事実、F3のコンセプトモデルであるI3 FIGHTERに「全くの新機軸」と呼べる技術は一切使われていない。
カウンターステルス能力としてガリウム・ナイトライド(GaN)・パワー半導体素子を用いた次世代ハイパワーレーダーを搭載とあるが、これは単純に強力なレーダーを積みますよ、という意味合いしかない。
情報・知能化、瞬間撃破力、外部センサー連帯が比較的目新しく感じるだろうけれど、クラウド・シューティングシステムは、早い話が航空機版のイージスシステムであり、アメリカのF22が保有してしているミニAWACS機能との差別化は特に無い。
用語を置き換えているだけで、F22にすら無いF3の新機軸というものは、無いのだ。
むしろF35が開発当初から視野に入れている無人化構想が無い時点で、「遅れている」とさえ言える。
もちろん、日本は材料工学的に一部アメリカを凌駕する部分を持っており、そのビルドによってはF22に匹敵、もしくは凌駕する可能性がゼロではないけれど、それがF22実戦配備から25年も経った時点で配備される最新鋭戦闘機としてどうなのよ?
という観点も忘れちゃいかんと思う。
平成のゼロと呼ばれたF2の方がいくつもの世界初があり、野心的で、先進的な技術を導入した機体であったし、第4.5世代戦闘機のベースともいえる性能を保有した最初の機体でもあったのだが、それに比べるとF3のコンセプトモデルは手堅過ぎるほどに手堅くて、サプライズはない。*1
…尤も、個人的には2028年時点でも、F22、F35に匹敵する第5世代戦闘機は、中露共に開発できていないとは思うけれど…。*2

*1:謳い文句だけはSFちっくだけど

*2:PAKFA…というかT50って、F35よりF18E/Fの強化版ぐらいの性能じゃないかという疑惑が個人的に強い…。J20に至っては、口だけステルスだと思ってる。もちろん、リスクとして見積もるなら、最大限で見積もるべきだけど