gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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英・エリザベス女王が施政方針演説| ytv 読売テレビ ニュース&ウェザー

イギリスで27日、エリザベス女王が2期目となるキャメロン政権の施政方針を読み上げた。EU(=ヨーロッパ連合)からの離脱を問う国民投票に向け準備を進める方針を示した。
イギリスの議会では、政府が作成した施政方針演説を国家元首が読み上げるのが通例となっている。今月7日に行われた総選挙ではEUからの離脱を訴える政党が支持を伸ばし、2期目となるキャメロン政権はEUとの関係見直しを表明している。
エリザベス女王「2017年末までにEU離脱の是非を問う国民投票を行うため、関係する法律を早期に導入する」
施政方針演説では「政府はEUとの関係について再交渉し、全ての加盟国の利益となるよう改革を追求する」と表明し、2017年末までの国民投票実施に向けて準備を進める方針を示している。(05/28 07:32)

http://www.ytv.co.jp/press/mainnews/TI20174711.html

イギリスはEUの中核メンバーにも拘らず、ユーロへの通貨統合を拒み、未だにEUから一歩引いた立場を維持している。
これは、イギリスが地理的に島国として離れている事と、イギリスのポンドは一度は基軸通貨を担い、そしてその座を米ドルに譲った現在も、日本円に次ぐ高い信頼性を持った国際通貨である事が原因である。
大陸側のEU加盟国の場合、フランスやドイツを除けば、統合通貨ユーロを導入した方が、旧来の自国通貨で居るよりも、通貨価値が高く、安定していたので、導入メリットが高い。
そして、フランスやドイツの場合は、大陸側加盟国として、独自通貨を維持するのではなく、ユーロを支える支柱としての立場を求められた為、参加せざるを得なかった。
ついでに言えば、ドイツの場合は1ユーロが約2ドイツマルク、と高い通貨交換比率が示すように、「通貨切り下げ」と同然の効果が得られ、輸出競争力を大幅に引き上げる事が出来る為、メリットの方が大きかった。
結局、EUとか通貨統合において、島国であるイギリスはあんまりメリットも無く、微妙に外様扱いだし、ロクな事が無い。
しかし、統合された欧州の枠組みから外れると、地政学的に孤立してしまうので、参加せざるを得なかったというのが実情。
仮に、EUから離脱すると、イギリスの不倶戴天フランスが盟主となるEU対イギリスという、馬鹿馬鹿しい状況となり、イギリス1国でEUを仮想敵国とした軍備を整える羽目になる。
その意味で、今さら「EU離脱」なんてのは、沖縄の基地問題と一緒で、住民の感情論以外の何物でもなく、国民投票で万が一にもEU離脱が賛成多数になると、困るのは英国と言うオチなんだけどねぇ…。
なお、英仏関係は、日中関係に似ているとも例えられるが、大陸国家としてはフランスより中国の方が大きいし、日本が海洋覇権国家として成立していた期間に於いては、中国は弱小で並立せず、逆に日本が島国として小さくまとまっている今現在、中国が大陸国家として極大に達している点で、似て非なる関係と言えるだろう。