gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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太陽光・風力発電のコストが急速に低下、海外で単価3円を切る電力の契約も - スマートジャパン

自然エネルギーの専門家でスウェーデンのエネルギー庁長官を務めたトーマス・コーベリエル氏(自然エネルギー財団理事長、スウェーデン・チャルマース工科大学教授)が「下がり続ける自然エネルギーのコストとパリ協定後の世界エネルギー事情」をテーマに、世界各地の導入事例や統計データに基づいて最新動向を解説した。「もはや経済合理性の面からも、太陽光と風力が火力や原子力よりも優位になった」と指摘する。
(中略)
太陽光発電が世界各地で拡大する背景には、コストの大幅な低下がある。米国の金融情報サービス会社Bloombergが調査・分析したレポートによると、太陽光発電モジュールの価格が2008年から急速に低下して80%も安くなっている。2011年には1kWあたり1000ドル(約11万円)を切る水準まで下がった。
(中略)
これから日本でも導入量の拡大が期待できる洋上風力発電の電力が、石炭火力を下回る価格で取り引きされている。「すでにヨーロッパでは洋上風力発電が最も安い電源の1つになっている」(コーベリエル氏)。
(中略)
風力や太陽光のように天候によって出力が変動する電源が拡大していくと、送配電ネットワークに対する影響が気になる。しかしコーベリエル氏は「その問題は日本の電力会社が誇張しているだけで、実際には送配電ネットワークに大きな影響を与えることはない」と説明する。
(中略)
「残念ながら日本では既存の火力発電所原子力発電所を維持するために、再生可能エネルギーの導入を抑制する動きが見られる。これからは環境面と経済合理性の両方を考慮して電源を選ぶべきで、再生可能エネルギーが最適だ」とコーベリエル氏は力説した。

http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1612/12/news025.html

太陽光発電モジュールの価格低下は、「太陽電池の2012年問題」と言われた中国における過剰生産の結果、価格崩壊した事が原因なんだけど、当然だけど結果的にこの価格暴落によって、中国以外のパネル製造メーカーは軒並み業績悪化して、事業から撤退したり、規模縮小などの事業整理を図っている。
別に、技術革新で安価に作れるようになった訳じゃなく、過剰投資の結果として在庫過剰になって、投げ売りされただけ。
生産調整が進めば、値段は下げ止まるだろうし、焼け野原になった市場で寡占化が進めばむしろ値段は上がるだろう。
洋上風力発電については、最も進んでいる欧米の事例から「初期費用が膨大なのに、思った結果が出ないリスクがある」と判明しており、また洋上での発電機の整備に必要なインフラ整備も大変。
更に言うなら、ヨーロッパでは、台風・ハリケーンに準じるような「熱帯性低気圧」は来ない。
台風が多い日本で、ヨーロッパと同じように安定して長く風力発電できるか、かなり疑問。
つーか、いざとなったら、国を越えて送電網から電力を融通してもらえる地続きの欧州と、島の内部で電力需給を完結させている日本とでは前提が違いすぎる。
安い代わりに、ある時にしか使えない電気と、少し高いけど、一年中安定して使える電気。
欧州では、足りなければ原発で発電している隣国から買えるので、前者でも良いけど、日本じゃ無理。
そんな事も判らない人間が元スウェーデンのエネルギー庁長官って、大丈夫なのか、スウェーデン