gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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トランプ氏:NATOは時代遅れ、EU離脱続くと予想−ビルト紙 - Bloomberg

トランプ次期米大統領は独紙ビルトとのインタビューで、北大西洋条約機構NATO)は時代遅れだと指摘するとともに、英国の欧州連合(EU)離脱に他のEU加盟国も追随するだろうと予想した。また、独BMWが計画するメキシコ工場からの輸入車に高率の関税を適用すると警告した。
ビルトが英語で行われたインタビューのドイツ語訳を掲載した。それによると、トランプ氏は英国のEU離脱が成功例になると予想。EUは米国を国際貿易で打ち負かすことを目的としたドイツ支配のための道具だと主張した。こうした理由から、EUが存続しようが崩壊しようがほとんど関心がないと述べた。
インタビュー発言は、トランプ氏が大統領選の公約を維持することはほぼ確実であり、長年の米外交政策の一部を転換させる可能性を示唆する。自由貿易や難民問題、安全保障、世界でのEUの役割などをめぐり、ドイツのメルケル首相と根本的に意見が食い違うことを示している。トランプ氏はウクライナをめぐって実施されている対ロ制裁について、ロシアとの核軍縮交渉の材料として使う可能性を示唆した。
トランプ氏はNATOについて、「時代遅れだ。まず第1に、構想から何年もたっていることだ。第2には、加盟国が相応の負担をしていない」と語り、NATOが「テロに対応してこなかった」と指摘した。
同氏はメルケル首相の難民政策を「悲惨な誤り」とする一方、英国によるEU離脱の選択を称賛。人々と国家は独自のアイデンティティーを望み、部外者にそれを「破壊」されることを望んでいないと指摘。EUは「基本的にドイツの目指す目標のための手段であるため」、英国が離脱するのは賢いことだと述べ、他の国も追随するだろうと予想した。
トランプ氏は、米国外で製造されるBMWの車には35%の輸入関税を課すと述べ、同社がメキシコの新工場建設計画を撤回し、米国に工場を建設すべきだと述べた。
同氏はさらに、ブッシュ政権によるイラク進攻は恐らく米史上最悪の決断だったと指摘。一部の欧州諸国の国民を含め、米国に入国する人に対し厳しい保安検査を行う方針を示した。また、自らの考えを支持者に直接伝えるため、就任後もツイッターを含むソーシャルメディアを利用する計画だと述べた。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-15/OJUDO16K50XS01

この全方位に喧嘩を売りに行くスタイルは、マジで怖いですわ。
これが北朝鮮とかフィリピンの指導者だというなら、また虚勢を張って瀬戸際・コウモリ外交やってんなぁ、という生暖かい目で見る事が出来るが、世界最大にして最強の超軍事国家アメリカの指導者がやってるんだから、その発言は、ほぼストレートに「武力恫喝」という威力になる。
EU崩壊を歓迎する発言は、最近シリア関連で蜜月状態だったフランスとの関係をぶち壊すだろうし、ブレグジットを決めたものの、その経済的な課題の多さに後悔半ばのイギリスの梯子を外してしまった。
また、ドイツへの関税強化は、ドイツの経済力に比して安いユーロを背景に膨大な黒字を稼いでいたドイツにも、少なくない影響を与えるだろう。
特に、トランプは製薬会社のアメリカ国内製造回帰を訴えており、工業の他に製薬でも大きなシェアを持つドイツにとっては、泣きっ面に蜂と言える状況になるだろう。
そして、アメリカとロシアが接近する場合、日本は堂々とロシアとの友好を深められる一方で、ロシアは日本よりアメリカとの関係を重視するから、日露間の交渉は難しいものになってしまうだろう。
少なくとも、対露経済制裁を背景にした日本有利の日露経済協力と言うカードは消えてなくなるだろう。
これらの影響は、全てトランプの無思慮に繰り出される、偏見と誤解を元にした発言によって生じるのだ。
まあ、これもまた、東西冷戦構造という古い体制の終焉を示す出来事なのかもしれんけど、この舵取りの難しい時期に、外交巧者の首相が続投している日本は、かなり運が良いと思う。
…せめて、国内の売国奴が足を引っ張らない事を祈るのみなのが、辛い所ではあるが。