gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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敵の魚雷を妨害する防衛能力を備えた潜水艦「せきりゅう」完成 : 大艦巨砲主義!

敵の魚雷を妨害する最新鋭の防衛能力を備えた海上自衛隊の最新型の潜水艦が完成し28日母港となる呉基地に入港しました。
呉基地に入港したのは海上自衛隊の潜水艦せきりゅうです。
せきりゅう神戸の造船所で建造され、呉基地所属の乗組員約70人とともに28日、呉基地に入港しました。基地では隊員など約320人が出迎え、呉地方総監部の池太郎総監が「呉への初入港おめでとう。わが国の安全保障環境は厳しさを増している。しっかりと訓練に励んでもらいたい」と乗組員を激励しました。せきりゅうはそうりゅう型と呼ばれる最新型の潜水艦で、約560億円をかけて4年がかりで建造されました。全長84メートル、排水量は約2950トンで、敵の魚雷を妨害する最新鋭の魚雷防御システムを備えているということです。艦長の渡邉正裕2等海佐は「初めて母港に入港し、ほっとしたという気持ちです。できたばかりの潜水艦なので、しっかり練度を上げてわが国の安全保障に貢献していきたい」と話していました。

http://www3.nhk.or.jp/hiroshima-news/20170329/5016111.html

元々対魚雷防御(Torpedo Counter Measures)(TCM)について自衛隊では、雑音発生器(Noise Augmentation Emitter)(NAE)を放出し、潜水艦自身の静粛性向上とソナー探知を逃れる機動を併用して、魚雷から逃れる手段としていた。
「最新鋭の魚雷防御システム」というのは、これに加えて、自走式デコイ(MObile Decoy)(MOD)を発射する事で、最新の対対魚雷防御(Torpedo Counter Counter Measures)(TCCM)機能を付与された魚雷に対しても、高い回避能力を獲得したというものである。
デコイに関しては、護衛艦用には曳航式デコイは存在していたのだが、紐付きだと操艦に影響するので、潜水艦用には存在しておらず、今回は新開発されたMODは、護衛艦と潜水艦の両方に装備されることになっている。(というか、あきづき型護衛艦には搭載済み)
ちなみに、最近の魚雷は磁気信管で水中爆発し、艦底破壊を狙うタイプなので、喫水を狙って海面スレスレを航走する事は無いので、漫画やアニメの様にCWISとかファランクスで魚雷を近接迎撃…とか無理ゲーです。
余談だけど、アメリカの主力潜水艦であるバージニア原子力潜水艦は、14基の再装填不可発射管と、再装填可能な1基の計15基のデコイ発射管を装備しており、アメリカ帝国の最新鋭装備が、日本より劣るという事はあり得ないので、まず間違いなくMODだろう。
つまりは、アメリカの装備開始に遅れる事17年目にして、ようやくの「最新鋭の魚雷防御システム」を備えたというお話なので、あんまりホルホルしてはいけません、と言うオチになる。
まあ、空母機動艦隊の随伴任務が主で、潜水艦同士の対決を前提とした攻撃型潜水艦と、チョークポイントでの待ち伏せ攻撃が前提の潜水艦とで、要求されている性能が違う、と言う事もあるんだけど。