gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

はてなダイアリーが更新できなくなったので、泣く泣くこちらに移行。使いづらいようなら、別なサービスへの引っ越しも検討する予定。元ダイアリー:http://d.hatena.ne.jp/gayuu_fujina/

【イベントレポート】Intel、Coreプロセッサまで入るカード型コンピュータを8月発売。シャープからも対応品登場 〜環境ごと持ち運べるPCモジュール - PC Watch

Intelは30日(台湾時間)、COMPUTEX TAIPEI 2017で基調講演を開催。カード型コンピュータモジュール「Compute Card」を8月より出荷開始することを発表した。
Compute Cardはその名の通り、カードサイズのコンピュータで、大きさはクレジットカードより少し長い程度、厚みは数mm。このサイズの中に、CeleronからCoreまでのCPU、無線通信機能、そしてストレージを内蔵しており、Windowsを起動可能なPCとして利用できる。製品自体は1月に発表済みで、今回出荷時期が明らかになった。
単体ではユーザーインターフェイスがないため、USBなどを備えたドックや薄型液晶ディスプレイなどと組み合わせて利用する。非常に小型であるため、これまでPCのような機能を持たせられなかったデバイスにPC機能をもたらしたり、高性能なIoT機器を開発したりできる。
基調講演のデモでは、クラムシェル型の学校向けノートPCから、Compute Cardを取り出し、教室のスマートホワイトボードに挿入すると、クラムシェルで作成したプレゼンテーション資料をスマートホワイトボードで即座に生徒全員に見せられ、持ち帰ると家のPCとして利用できると言ったシナリオが紹介された。
Compute Cardの賛同メーカーの一覧にはシャープも含まれていた。同社は、Intelが提唱するMini OPS規格に準拠したPCボードを装着できるタッチディスプレイをすでに投入しており、同様の製品をCompute Card準拠の形で投入するものと思われる。

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/event/1062545.html

つまり、コア・ブロックシステムと言う訳だな。(だいたいあってる)
しかし、セキュリティを考えればストレージを含む筐体が持ち歩き出来ると言うのは単なるリスクアップでしかなく、CPU、M/B、メモリ、ストレージのコア部分と、液晶パネルにUI部分(キーボード、マウス)、電源部との価格差が昔のように十倍以上とか莫大な訳では無いので、分離する事で高価なパーツを効率的に運用することで経済的メリットを生む、と言った運用は限定的な価値しかない。
加えて言うなら、持ち歩きの間にPCとして使える訳でもないので、荷物としては単なるデッドウエイトになる。
計算処理が可能なカード型コンピューターという意味なら、ICカードやRFID内蔵カードが既に存在しており、個人認証に使われる程度の処理が可能なものは、既に普及している。
主要目的として「これまでPCのような機能を持たせられなかったデバイスにPC機能をもたらしたり、高性能なIoT機器を開発したりできる。」とあるが、IoT機器のコアとして恒常的に組み込む訳では無いのだから、コアを取り外してしまえば、残るのは「ただの機器」である。
設定用の外部機器として使うだけなら、ラズパイを組み込んだ方が安くて必要十分以上の性能があるし、大量生産品なら、専用の組み込みシステムを設計した方が、より安価で堅牢な物になるだろう。
正直、高性能なCoreiプロセッサを内蔵しなければいけない程の高度処理が必要で、しかしわざわざ取り外し可能にしてコスト削減を検討する必要がある程に価格を抑えなければならない機器ってのが想定できない。
以前、スマホをドッキングさせて、ノートPCとして使える筐体をASUSが販売していたけれど、アレが売れたと言う話は聞かないなぁ…。
何か一つでも、具体的に「これじゃなきゃ実現できない事例」を挙げて貰えれば納得できるんだけど、「基調講演のデモ」は、単なるファイルの複数プラットフォーム間での共有であり、USBメモリが一つあれば済む事例でしかない。
…そもそも、学校の業務で使う仕事用のPC(コア)を「持ち帰ると家のPCとして利用できる」なんてのは、個人情報に対する巨大なセキュリティリスクとしか思えないんだが…。