gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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ポケGO、大戦略、信長の野望…古今東西のゲームマップを7分類して徹底分析。なぜ四角形や六角形のマップを、私たちは好むのか?【徳岡正肇氏:講演レポ】

これは一度でもゲームデザインを考えた事があったり、SLGゲームが好きな人には、非常に興味深い読み物だと思う。
そして、この「表現」は、元々「シミュレーションの為に現実を抽象化したもの」だけに、現実に適用する事で、新しい視点や切り口を見出す手法にもなり得る。
だからこそ

(前略)
筆者として断言できることはただひとつ。この講演は、ゲームデザイナーに留まらず、すべての人にとって確実に有益なものである。というのも、少々ルポとしては大げさな言葉を許していただくなら――これはゲームの枠を利用して、世界の真理に到達せんとする試みのように思えるからだ。
(後略)

http://news.denfaminicogamer.jp/kikakuthetower/170914b

とまで絶賛されているのだろう。
多分、「何で北朝鮮の核問題に米露中が首を突っ込んで、一番の当事者である韓国そっちのけで話が進んでいるか」と言う部分も、「AtA(エリア・トゥ・エリア)」と「PtP(ポイント・トゥ・ポイント)」で極東アジア+太平洋とアメリカの勢力図を描くと、非常に判りやすくなると思う。
ただまあ、この「抽象化」ってのが曲者で、この部分は簡単に言えば、作図者の「意図」である。
マスコミが適当な図表で印象操作するような手法が、そのまま使えてしまう部分であり、
「沖縄に米軍基地なんて要らない!」と叫ぶ人がPtPマップを作成すれば、沖縄にポイントは置かれないだろうし、
韓国が日米の支援なしには、交易すらままならない立地である事を隠したい人がマップを作れば、PtPマップの韓国から延びる線が、日本を経由することなくフィリピンや台湾に直接線を引くだろう。

(前略)
移動経路を読むだけで政治が見える。
(中略)
つまりゲームデザイナーによる世界の解釈が、もっともよく反映されるものであると言えるだろう。
(後略)

http://news.denfaminicogamer.jp/kikakuthetower/170914b/2

というのは、そういう事だ。
元々が「シミュレーション」の手法だから、現実に重ねるのが容易で当然なんだけど、それだけに奥が深いと言うか。
この記事は本当面白い。