イプシロン3号機 打ち上げ成功 | NHKニュース
人工衛星を低コストで打ち上げようと開発された日本の新しい小型ロケット「イプシロン」の3号機が、大手電機メーカーの衛星を載せ、18日午前6時すぎ鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられました。ロケットは順調に飛行を続け、午前7時前に予定していた高度500キロ付近で衛星を軌道に投入し、打ち上げは成功しました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180118/k10011292981000.html
日本の新しい小型ロケット「イプシロン」の3号機は、大手電機メーカーのNECが開発した地球観測衛星「ASNARO」の2号機を載せ午前6時6分、鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられました。
「イプシロン」は、1段目のエンジンに点火したあとごう音とともに発射台を離れ、「ASNARO」の2号機を覆っている「フェアリング」などを切り離しながら順調に飛行を続けました。
そして打ち上げから50分余りすぎた午前7時前、高度500キロ付近で「ASNARO」を軌道に投入し、打ち上げは成功しました。
「イプシロン」は新興国などで需要が高まる小型の人工衛星を低コストで打ち上げられるようにしようとJAXA=宇宙航空研究開発機構などが開発した日本の新しい小型ロケットで、打ち上げ費用がおよそ40億円と従来の小型ロケットの半分程度に抑えられています。
イプシロンが民間企業から委託された人工衛星を搭載するのは今回が初めてで、JAXAでは、打ち上げの成功によって新興国などからの衛星打ち上げを受注できるようにしたいとしています。
JAXA理事長「H2Aのように早く民間事業に」
「イプシロン」の3号機を打ち上げたJAXAの奥村直樹理事長は、打ち上げのあと会見し、「イプシロンは野心的に改良を加えてきたロケットであるぶん、困難も多かった。今回の成功で将来の安定的な打ち上げへの確信が芽生えてきたと思う」と述べました。
そのうえで、「最近のマーケットを見ると小型衛星を打ち上げるニーズは非常に高まっている。マーケットを捕捉するには、研究開発機関がいつまでも受注から打ち上げまでを担っていくことは自然ではない。できるだけ早くH2Aロケットのように民間事業として確立できるように努力していきたい」と話しました。
めでたい。
とは言え、先行きはあんまり良くないんだよね。
理由としては、イプシロンは商業ロケットとして、競合他社に対するアドバンテージが無い(または小さい)から、日本の政府関連ですら、H2を含めて日本のロケットを使おうとしないレベルなので。*1
日本も、アメリカ式のロケット開発を止めて、ロシアの様に弾道ミサイルと衛星用ロケットを区別しない両用ロケットとして開発出来れば、良いんだけどなぁ…。
ちなみに、北朝鮮が衛星を打ち上げた弾道ミサイルと、何度か発射している弾道ミサイルは、基本的に同じ系統樹にあるロケットで、旧ソビエト同様に、弾道ミサイルと衛星用ロケットの間に区別が無い。
正直、アメリカのようなアホみたいに軍事予算があった国が、軍需企業を食わせる為にあえて民需と軍需を分割するなんて、不効率な仕組みを採ってる国の方が少ない。
具体的に言うなら、アメリカ以外は、欧州連合だけ。
やっぱり金と軍需産業のすそ野が大きい連中しか居ないのだ。*2
日本の様に、軍事予算が国家規模に比して過剰に少なく、軍需産業も民需のオマケの国が真似する事自体が、非効率の極みとしか言いようが無い。*3
お陰で、世界でも例の無い、ロケット開発を単独国かつ民需だけでやろうとしている(非効率で愚かな)国になってる。
イプシロンを政府の肝いりで「弾道ミサイルとして再開発します、最終的には常時200発を保有し、年間最低4発は試射を兼ねて衛星打ち上げします」ってやれば、中国は日本の潜在的核戦力を懸念して手を出しにくくなるし、停滞する科学実験衛星もバンバン打ち上げられるし、GPS衛星や情報収集衛星も充実するし、5年でイプシロンロケットは世界最先端の固体ロケット兼、弾道ミサイルになれると思うけどね…。
それだけやっても、5年で1兆円、年額にしてイージス艦1隻分ぐらいの予算で済むんだけど、同額の対外債務は対価無しに放棄できても、国を守る為には出せないってのが、日本の財務省なんで。