gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

はてなダイアリーが更新できなくなったので、泣く泣くこちらに移行。使いづらいようなら、別なサービスへの引っ越しも検討する予定。元ダイアリー:http://d.hatena.ne.jp/gayuu_fujina/

iPhoneXをスマホメーカーが模倣 安易な対応をメディアが批判 - ライブドアニュース

(前略)
iPhone登場から10周年を迎える記念すべきタイミングで登場した「iPhone X」ですが、11万円を超える販売価格があだとなり、当初の目論見とは裏腹に出荷台数が伸びず、2018年に入ってからは「iPhone Xは1年で終了」という報道まで飛び出すほどの不振に陥っています。しかし、一般消費者とは異なりスマートフォンメーカーからは多くの人気を集めており、iPhone Xのデザインに酷似した新型スマートフォンが世界最大級の携帯電話関連展示会モバイルワールドコングレスで多数登場しています。
(中略)
特に気になるのは、iPhone Xのディスプレイ上部にある切り欠き(ノッチ)部分。iPhone Xの場合、ここには顔認証機能である「Face ID」に使用される各種センサーが詰め込まれています。
それに対して、iPhone Xの見た目だけをコピーしたスマートフォンたちは、Face IDの機能ごとコピーするのではなく、見た目だけをコピーしています。つまり、iPhone Xのような高度な顔認証機能は使用できないのに、ディスプレイ上の「邪魔な」切り欠きだけは忠実に再現しているのです。
(中略)
Zenfoneシリーズなどで世界的な人気を誇るASUSも、潔いくらいにiPhone Xのデザインをコピーした「Zenfone 5/5Z」を発表しています。
(中略)
「Zenfone 5/5Z」についてSavovさんは、「大音量のスピーカー、平均以上のピクセル数を備えたソニー製のイメージセンサー、約499ドル(約5万3000円)という手ごろな価格と一見有望なスマートフォンに見える」と評しつつ、発表会の中でASUSAppleを「フルーツカンパニー」と連呼している様子を見て「iPhoneをコピーするなら少なくともAppleを嘲笑するようなことは避けるべき」とウンザリした気持ちになったことを記しています。
(中略)
モバイル業界で起きる機能やデザインのコピーは、技術的な改善をもたらす上で最適な方法であることは明らかです。しかし、iPhone XをコピーするAndroid端末の多くは純粋に機能をコピーしているわけではなく、見た目を模倣するためだけのものが多いことをSavovさんは指摘しており、「これは明らかに良い傾向ではない」と警鐘を鳴らしています。
(中略)
そんなASUSのZenfone 5と同じように、モバイルワールドコングレスでリークされたLGの最新モデルである「LG G7 Neo」や……
Huaweiの「Huawei P20」も、iPhone Xのデザインを安直にコピーしたものに仕上がっています。
(中略)
Appleはデバイスの特徴や魅力を画面上部の切り欠きで表現するという危険な賭けに出たわけですが、スマートフォン業界の多くはこのデザインを好意的に取り、そのままコピーするという安易な対応を取っています。
(中略)
これに対して、Samsungソニーといったメーカーのスマートフォンは自社メーカーのデザイン路線を踏襲することで、iPhone Xのコピー端末とは明らかに異なるデザインの新型端末を発表し、コピーメーカーとの明らかな違いを示しています。
「短期的な思考はAndroidメーカーの大部分を間違った方向に導いている」と指摘し、さらに「これでは独自のデザインや哲学を構築することはできない」とSavovさん。さらに、数年前にこういったコピーをやめて独自のデザインを貫くようになったSamsungは、現在間違いなく独自のデザイン文化を構築している、と記しています。
(後略)

http://news.livedoor.com/article/detail/14388728/

スマートフォンコモディティ化を理解していれば、これがアイディアやデザインの問題では無い、と判る筈なんだけどね。
Appleが世界有数のSoC設計力とソフトウェア開発力を持ち、常にその時点で最高のSoCを載せて、それに合わせたOSとアプリを引っ提げて、世界のスマホ市場に大きな影響力を与えている事は間違いない。
ただし、逆に言えば、有機EL液晶やメモリはサムスン、カメラユニットはSonyを使っており、普通に買える部品の内、最も高性能な物を寄せ集めしているだけで、AppleのiPhoneの肝は、SoCとOSにしかない。
だから常に先端ハード機能の採用と言う点では、常にAndroidの後塵を拝して来たし、こうやって簡単に模倣機が作られてしまうのだ。
まあ、Appleは先駆者としての先行者利益とブランド化を果たし、一定のシェアを確保しているから良いとして、Android機が摸倣機ばかりで、例外がサムスンやSonyだけってのも、簡単な話である。
サムスンは自社の有機EL液晶のエッジディスプレイを最も先に使う事が出来るので、それを売りにしている以上、他社との差別化が可能になっている。
Sonyも、世界最先端の高性能カメラユニットと画像処理技術を売りにしており、Xperiaのデザインは、カメラユニットに合わせたものになるだろう。
何のことは無い、自社で最先端の技術を持って居る会社だけが、コモディティ化による画一化を免れているだけなのだ。
中国のスマホメーカーの内、自社で独自の技術を打ち出してきているのは、独自SoCのファーウェイぐらいだが、こちらはAppleと違って自分で新しいアプリを打ち出せるほどの経験も蓄積が無い。
だから、かつてのサムスンがやっていた摸倣戦略で追い上げているのだ。
これは、過去のスマホ市場でも行われていた、歴史の繰り返しにすぎない。
Appleや日本のスマホメーカーを模倣して同じ部品を安価組み立てて売り、サムスンが躍進したが、今はサムスンが中国メーカーに追われる側になった。それだけの話。
なので、「これでは独自のデザインや哲学を構築することはできない」なんてのは、見当はずれな意見だと言える。
オンリーワンの独自色を出せるのは、スマホ専業では無いハードも作っているメーカーだけで、デザインだったり、哲学(ソフト)的な独自色は、あっという間に模倣されるから、独自色にはなり得ない。
そんなものを構築しなくても、世界中から買い集めたモノ*1だけで世界最大のスマホメーカーまで成り上がったサムスンが証明している。
多分、サムスンは自分がやって来た事を、そっくり中国に真似されて、シェアを失い、日本のメーカと同じように、部品供給メーカーへと変わって行くんじゃないかね。
…その頃には、現在の利益の大半を稼ぎ出しているスマホで儲からなくなってて、不採算事業から順に切り売りして行く事になると思うが。
大丈夫、日本企業もサムスンにやられて通った道だからwww

*1:有機ELディスプレイ技術も、半導体技術も日本から買ってる