gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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【技術への対価】写真屋さんが販売する幼稚園の集合写真(900円)に『一人買って焼き増しすれば安く済むよ』というママさん達のやりとりに様々な意見 - Togetter

これに関しては、「技術と対価」という問題では無く、「写真のビジネスモデルが崩れた」という意見の方に近い立場。
昔の銀塩カメラは、バカチョンカメラの様に多少雑でピントが甘くても構わない写真なともかく、綺麗に写したければ、相応の技術と知識が必要だった。
特殊な撮り方をしたければ、それこそ専門的な知識はもちろん、現像にまで気を付ける必要があった。
そして、画素数が少なかった頃のデジタルカメラは、銀塩カメラに比べて、どうしても情報量で負けていた。
だからこそ、記念になる写真はカメラマンに頼んで、高級カメラで撮ってもらう、と言うのが常識であり、そこに写真家としての技術や生きる道があった。
しかし、昔に比べて飛躍的に画素数が増え、デジタル化したが故に、画に対する加工が非常に容易になった結果、メーカーがプリセットしたイメージフィルタで少し加工してやるだけで、素人でも綺麗な写真を簡単に撮れるようになってしまった。
素人の目にはもはや、プロと素人の写真の差なんて、構図力とか題材選びと言った、センスの部分にあるだけで、カメラで撮る事自体に、目立つ差なんてものは無くなってしまった。
免許用の証明写真が、無人自動販売機に取って代わられたように、記念の集合写真なんて、誰が撮っても代わり映えのしない写真に対して、プロの技術力なんてものは、求められなくなってしまった。
今時の親が、自分のスマホで子供の写真を、撮らない筈が無く、幾ら撮っても0円。
幼稚園の集合写真なんてものは、それらの写真と同価値の「1枚」でしかないのに、900円もの費用を取られる。
…そりゃ、「無駄」と思われれば、買いませんよ。
印画紙に印字した上で、写真自体に貰って嬉しい、記念として残したい、と言う付加価値を持たせられなければ、こーいう写真自体を売ると言う商売が亡びるのは、必然だろう。