gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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陸自、次期戦闘ヘリはどうなる? 更新が急がれる理由と予想される導入機種(乗りものニュース) - Yahoo!ニュース

陸自が新しい戦闘ヘリ導入へ
2018年5月7日(月)、自衛隊が使用する防衛装備品の開発や調達を管理する防衛装備庁が、陸上自衛隊における次期戦闘ヘリコプターの導入を検討するにあたって必要な情報を企業から求める、「情報提供要求」の公告を行ないました。
(中略)
陸上自衛隊は1982(昭和57)年から1995(平成7)年にかけて、AH-1S対戦車ヘリコプターを90機導入しました。2017(平成25)年3月末の時点で、防衛省AH-1S保有数を59機と発表していますが、
(中略)
「共食い整備」を余儀なくされているため、59機すべてが稼動できる状況にはありません。
防衛庁(当時)はAH-1Sの後継機として、2001(平成13)年にボーイングのAH-64D「アパッチ・ロングボウ」ブロックII仕様機の導入を決定しました
(中略)
陸上自衛隊は2008(平成20)年度に、AH-64Dの調達を13機で打ち切ることを決定。2013(平成25)年度に13機の調達を完了しています。
(中略)
アメリカ国防総省は、AH-64Dのサポートについて2025年をもって打ち切る方針を明らかにしており、2019年頃からは予備部品の供給が滞る可能性が生じています。
(中略)
2019年以降は実戦での運用が不可能な機体が増えると予想されています。
(中略)
筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)は、2018年3月に発足した水陸両用部隊「水陸機動団」を、上空から援護することが、これからの陸上自衛隊の戦闘ヘリコプターに求められる最大の任務なのではないかと思います。
(中略)
これらの能力を充たす戦闘ヘリコプターとしては、AH-64E「ガーディアン」と、アメリ海兵隊が運用しているAH-1Z「ヴァイパー」の名前を挙げることができます。
(中略)
このほかの候補としては、イタリアのレオナルドが開発を進めている新型戦闘ヘリコプター、AW249も、候補になり得るのではないかと思います。
(中略)
これらの戦闘ヘリコプターは能力的には申し分ないのですが、価格が高いという難点があります。
(中略)
エアバス・ヘリコプターズは、川崎重工業と共同生産している「BK117D-2」(エアバス・ヘリコプターズの呼称はH145)をはじめとする同社の多用途ヘリコプターに、機関砲やレーザー誘導ロケット弾、対戦車ミサイルを搭載するためのキット「H Force」を開発しています。
(中略)
ロッキード・マーチンも、陸上自衛隊が運用しているUH-60多用途ヘリコプターに、対戦車ミサイルなどを搭載するためのキットを開発しています。本格的な戦闘ヘリコプターと、これらのキットを搭載できる「戦闘もできるヘリコプター」を並行して導入すれば、OH-6Dの後継機問題も、ある程度解決できるのではないかと考えられます。
(中略)
陸上自衛隊がどのような判断を下すのかはわかりませんが、戦闘ヘリコプターの必要性は依然として高く、早急な判断と新型機の導入が求められます。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180523-00010000-norimono-bus_all

ぶっちゃけた話をするなら、既に自衛隊の戦車と戦闘ヘリ部隊に対する対応自体が、全てを物語っていると思う。
何と言っても「予算(カネ)が無い」。
かつてなら、日本の主戦場は対露の北海道と、対中露間の朝鮮半島であり、北は90式を主力とする機甲戦力で南進を防いでアメリカの救援を待つ、朝鮮半島では日米韓の3カ国で中露北の水際防御を行うと言う観点で、どちらでも使える戦闘ヘリ部隊は、重要な中核戦力だった。*1
しかし、ソビエト崩壊とロシアの経済低迷で、ロシアが海を越えて南進し、日本へ戦力を垂らす可能性は極小となり、中国の軍事大国化…それも外洋艦隊の飛躍的大増強と韓国の赤化によって、「朝鮮半島が最前線では無くなり、日本海が主戦場」となる確率が飛躍的に上がってしまっている。
海戦で重要なのは、航空優勢を保証する空自と、直接侵攻艦隊と激突する海自となる。
だから自衛隊は老朽化した空自戦力の研ぎ直しと、海自戦力の増強を目指し、陸自の予算を大幅に削った。
未だに現役で使える90式戦車まで含めて退役させ、10式戦車300両へという機甲戦力の大幅削減は、日本本土における地上戦の確率も上がっている現状、ハッキリ言って苦肉の策である。
地上戦の主力である戦車がこれだけ削減されている状況で、下手な軽戦闘機並に高価な戦闘ヘリは、「高すぎる」のだ。
戦闘ヘリを1機買う金で、10式戦車が12両揃う、と言われれば、良く判るだろう。
多分、汎用ヘリに武装を追加して、1機種で偵察、攻撃、対潜が可能なマルチロール機を「海外調達」するしかないんじゃなかろうか。
戦闘ヘリは極めて強力な戦力ではあるが、同時に「落ちる時は簡単に落ちる」という脆弱性を併せ持つ。
損耗を想定して数を揃えなければ、あっという間に壊滅しかねない兵科なので、他の用途で調達する汎用ヘリと機体を共用できるなら、それはそれで便利だし、実はアメリカですら、金食い虫の戦闘ヘリをゼロから新規開発する余裕は無く、アパッチの近代化改修で対応している事を考えれば、悪い選択肢ではないと思う。
少なくとも、「戦闘ヘリ部隊をゼロにする」という悪手は取れないのだから。

*1:といっても、後者では海外派兵できない陸自が展開する可能性は極小だったので、せいぜいアメリカ軍に補修部品や弾薬を供給する役割しか無かっただろうが…