gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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売れ過ぎても困る? スズキ 新型「ジムニー」の納期が長引く理由とは(くるまのニュース) - Yahoo!ニュース

2018年7月に発売されたスズキ新型「ジムニー」は、納期が非常に長引いています。スズキの販売店に尋ねると、「今のところ正確な納期は不明です。ただし1年以上を要することは確実とみられています」とのこと。なぜ新型ジムニーは、これほどまで納期がかかってしまうのでしょうか。
同販売店にその理由を聞くと、「すでに1年間分の国内販売目標を超える台数が受注されているからです。特に小型車のジムニーシエラは、軽自動車のジムニーに比べて納期が長くなります」といいます。
(中略)
前出の販売店に「増産をする予定はないのですか?」と尋ねると、「受注台数がきわめて多いため、メーカーでは増産も考えているようです。ただし2019年以降になり、即座に生産台数が増えることはないと思います」という返答でした。
綿密に構築された生産設備を増やすのは、とても難しい作業です。膨大なコストと時間も要します。
そして一度生産設備を拡大させたら、その後も稼働率を維持しなければなりません。直近のジムニーの需要増加に応えて生産設備を拡大させても、その後に需要が下がったら、余剰な生産能力を持つことになってムダが生じます。つまり生産設備を拡大するには、将来に向けて需要を保てる見通しや計画が必要なのです。
特に今後は、ハイブリッドを含めた電動化、将来の自動運転に繋がる運転支援機能などの技術が進化します。これに伴ってクルマ造りも変わるため、生産設備の拡大には、一層慎重になる必要があるでしょう。
(後略)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180827-00010000-kurumans-bus_all

この記事は、「何で売れ過ぎでも増産できないか」という点について、アホでも判るように簡潔に書かれている点が素晴らしい。
昔々の高度経済成長期なら、作る端から売れていくボーナスタイムだったので、設備投資は気軽にガンガンかけられたし、部品の在庫もあればあるだけ良い、と言う考えで潤沢に保有していたから、増産についても素早く対応できたが、20余年に及ぶ不景気で「必要な物を必要な時に必要なだけ」という考えで最適化され、生産ラインの余裕や在庫を削り、設備投資にも消極的になっているから、このような判断にならざるを得ない。
よく、中国企業のスピード感を絶賛してる人が居るけど、効率を無視してバックエンドに余裕があれば、日本も同じ事が出来るというか、やっていた話。*1
ただ、それだと効率が悪すぎて、バブルが崩壊してデフレになったら、上の方の大手企業は子会社に不良在庫を押し付けて損切りし、莫大な不良在庫を抱えた子会社や末端製造業が、それらを抱えて溺死した、というだけで……。
多分、中国でも似たような事が起きつつあると思うよ。

*1:しかも中国では知財無視に安全軽視という悪癖もあるから、なおさら早く出来る