gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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米、ICJに関する紛争解決の議定書から脱退 「反・国際司法制度」鮮明に

【AFP=時事】ジョン・ボルトン(John Bolton)米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は3日、国際司法裁判所(ICJ)の管轄権を定めたウィーン条約の議定書から脱退すると発表した。在イスラエル米大使館のエルサレム移転に対しパレスチナ自治政府が米国をICJに提訴したことを受けた措置としている。ドナルド・トランプDonald Trump)米政権は国際司法制度に背を向ける姿勢を強めている。
ボルトン氏はホワイトハウス(White House)で開いた記者会見で、外交関係に関するウィーン条約の「紛争の義務的解決に関する選択議定書」(1961年)から米国は脱退すると表明。同議定書は、紛争は当事国がほかの解決方法を決めたのでない限り、ICJの「義務的管轄」の範囲内に属すると定めている。
ボルトン氏は、ICJの設立に関するウィーン条約のほかの部分には残ると説明。「ほかの全当事国が国際的な義務に従うことを期待する」とも述べた。
マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官は同日これに先立ち、ICJが米国の対イラン制裁の一部解除を命じたことを受けて、1955年締結のイランとの友好経済関係条約(Treaty of Amity and Economic Relations)を破棄すると発表した。イランは米国の対イラン制裁の再発動は同条約違反だとして米国をICJに提訴していた経緯がある。
トランプ大統領は先月に国連総会(UN General Assembly)で行った演説で、国際刑事裁判所ICC)に協力しないことなども重ねて表明していた。

http://www.msn.com/ja-jp/news/world/%e7%b1%b3%e3%80%81icj%e3%81%ab%e9%96%a2%e3%81%99%e3%82%8b%e7%b4%9b%e4%ba%89%e8%a7%a3%e6%b1%ba%e3%81%ae%e8%ad%b0%e5%ae%9a%e6%9b%b8%e3%81%8b%e3%82%89%e8%84%b1%e9%80%80-%e3%80%8c%e5%8f%8d%e3%83%bb%e5%9b%bd%e9%9a%9b%e5%8f%b8%e6%b3%95%e5%88%b6%e5%ba%a6%e3%80%8d%e9%ae%ae%e6%98%8e%e3%81%ab/ar-BBNTL86

イラン問題に関わる話で、都合の悪い所は「破棄」し、都合の良い部分は「破棄しない、他の国は条約守れよ」と言い放った訳だが、今まで「(比較的)良い子ちゃん」だったアメリカが言い出したのでインパクトがあるが、類似の発言・行動を普段から連発している中露がやらかしても、これほどインパクトが無いというアレ。
国力から考えれば、アメリカがこの手の「我儘」を言っても、それを通すだけの力があったにも拘らず、ソビエト崩壊から30年近くも中露の傍若無人に苦々しく思いつつ、国際社会の秩序を順守し続けた過去のアメリカの凄さが判ると同時に、30年近くも中露の傍若無人を放置せざるを得なかった「対話の無駄な努力」より、トランプがぶち壊した「品行方正なアメリカ」という「反面教師」が、中国辺りには覿面な逆風として、過去30年近くも改まらなかった知財泥棒に抑止効果を生みつつあるってのが凄いって話。
元々、「国際司法制度」が大国の核心的利益に関わる問題を解決した試が無い訳でなぁ…。*1
これで何が変わるって、中露に対するICJの無能っぷりが、アメリカにも適用されることになっただけで、大差は無かったりする。
ただまあ、アメリカの同盟国としては、アメリカがまた一段と「信用できない国」になった事で、自助努力すべき局面が増えるくらいかなぁ。

*1:例:1954年11月7日の航空機事件は米ソが当事国だったが、請求取り下げで終わり。以降、大国間の訴訟自体が無いアメリカはしばしば当事国に名前が出るが、ロシアは1度だけだし、中国はあれだけやらかしてるのに、そもそも当事国として槍玉にすら上げる事すら出来ていないオチ。つまり大国の関わる問題解決機関として、無能が既に証明されている