gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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海軍のコルベット艦、量産へ 中国に対抗の「空母キラー」に/台湾 | 両岸 | 中央社フォーカス台湾

海軍のコルベット艦、量産へ 中国に対抗の「空母キラー」に/台湾 | 両岸 | 中央社フォーカス台湾

台北 16日 中央社)台湾が初めて自主建造したコルベット艦「沱江」の量産が開始されるのを前に、海軍の敖以智参謀長は16日、立法院(国会)外交および国防委員会で、沱江は「空母キラー」としての役割を問題なく果たせるとの見方を示した。中国への抑止力となることが期待される。
敖参謀長は、中国の空母「遼寧」の速度が約30ノット(時速約56キロ)だと説明した上で、沱江は武器を装備した状態で30ノット以上出せると自信を示した。
沱江は全長60メートル、全幅14メートル、排水量500トンの双胴船で、最高速力は38ノット(同約70キロ)。対艦ミサイル雄風2、雄風3の搭載や魚雷の装備が可能とされ、速いスピードで中国の空母に近づき攻撃できる。海軍が現在保有しているのは初号艦の1隻のみで、2025年に3隻完成する見通し。

http://japan.cna.com.tw/news/achi/201905160008.aspx

えーっと、水上艦が空母直衛を抜いて、空母に攻撃するなんて、攻撃側が防御側を質・量ともに上回る戦力を用意するか、優秀な潜水艦でも使わんと、ワンチャンすらないで?
射程が短すぎて、魚雷じゃ射程に近づく前に沈められるオチだし、雄風2(射程160km)や雄風3(射程200-300km)を搭載できるとしても、500tのコルベットにその射程を生かすレーダーが積める訳も無いから、偵察機のデータリンクで誘導するしかないんだけど、空母機動艦隊相手に、のんびり偵察機がミサイル誘導なんてやって居られる訳も無い。*1
結局は魚雷と同様に、有効射程に入る前に撃沈されるしかない。
この辺の事情は、中国はアメリカとの非対称戦に備えてミサイル艇を大量に揃えていた時代があるので、当然中国も知っており*2、2005年から2013年までに83隻もの大量生産していた022型ミサイル艇は、今現在、ぴたりと生産が停止され、中国は5000t以上の大型艦を量産している。
この時点で、この手の補助艦艇による攻撃が成功する可能性は、ゼロだと思う。
そもそも、台湾のコルベット艦はたった3隻だが、排水量は半分でも速力で優越する022型ミサイル艇*3が83隻中国にある時点で、補助艦艇の戦力だけで圧倒的に負けている罠。
空母を狙うなら、素直に、潜水艦を大量配備する方が、マシよ?
というか、台湾と戦争するのに、中国は空母を動員する必要が無い。陸上機で台湾全土を攻撃できるんだから、空母キラーとか必要ないし。
台湾も韓国みたいに無用な軍備を揃える暇があったら、国内の親中勢力によるテロに気を付けた方がマシだと思う。

*1:台湾は6機のE-2Kを保有しており、台湾空軍の虎の子である。高空を飛ぶ航空機は600km、低空を飛ぶ航空機は300km、小型水上艦の探知距離は230kmとされるが、中華イージスは航空機を350kmで探知できるらしいので、戦闘機序としては「中国艦隊がE-2Kを発見、迎撃機を飛ばす」-「E-2Kが迎撃機を探知、敵機動艦隊の存在を推測、もしかしたら空母が水上探知にひっかかるかも」の順になる。この状況で、コルベットのミサイル誘導が出来るだろうか?

*2:個人的には、当時、漁船を含む小型船舶を大量動員し、その中に紛れた3桁に及ぶミサイル艇の内、一部でも空母を射程に捉えてミサイルをぶっぱ出来れば勝ち、人命?知ら無い子ですね。という特攻戦術を想定していたんじゃないかと疑っている。逆に言うと、それぐらいしないと、戦闘配備の軍艦に射程の短い小型艇で肉薄攻撃とか無理ゲー

*3:最高速度50ノット、射程180kmのYJ83ミサイル2基装備