gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

はてなダイアリーが更新できなくなったので、泣く泣くこちらに移行。使いづらいようなら、別なサービスへの引っ越しも検討する予定。元ダイアリー:http://d.hatena.ne.jp/gayuu_fujina/

asahi.com(朝日新聞社):藻から軽油を量産へ デンソー、年80トン計画 - ビジネス

トヨタ自動車グループの部品メーカー、デンソーは、水中で光を浴びると軽油を生成する藻を大量に培養し、13年までに軽油の量産に乗り出す。軽油などを年に計80トン生産する計画で、藻を原料とする軽油の量産は初めて。食糧価格の高騰を招かず、低炭素社会に道を開く技術として注目される。
大量培養されるのは、温泉などに生息する微細な緑藻「シュードコリシスチス」。光合成を通じて、水と二酸化炭素(CO2)を吸収し、バイオディーゼル燃料の元になる中性脂肪軽油を細胞内に蓄積する特徴を持つ。
CO2を吸収するため、燃やしても大気中のCO2は増えないと見なされ、地球温暖化対策としても期待される。重量の最大3割が軽油などになり、残りかすからバイオエタノール燃料も抽出できる。
デンソーは、太陽光を使って効率よく培養できる方法を探るため、今月内にデンソー基礎研究所(愛知県日進市)内に研究室をつくる。11年末までに屋外設備をつくり、大量培養に乗り出す。
基礎研が年間に排出するCO2約1万トンのうち約450トンを藻に吸収させるほか、生産した燃料は、社内のボイラーの動力源として使う。
軽油の大量生産については、国内の石油化学メーカーなどと共同で研究する予定。現時点では藻の殻から軽油を取り出すコストなどがかさみ、原油から精製した軽油より割高になるため、生産コストの引き下げが課題になる。
軽油はガソリンより燃焼効率がよく、環境規制の厳しい欧州では、新車の半分以上を軽油を燃料とするディーゼル車が占める。国内でも日産自動車やホンダがディーゼル車を発売する予定で、需要拡大が見込まれる。(福田直之)

http://www.asahi.com/business/update/0709/NGY200807080010.html

ようやく、あの馬鹿げた「食料」を燃料に変える穀物バイオ燃料とは違う、珪藻燃料が実用化され始めたか。
こういう研究にこそ、国がちゃんと予算をつけて研究させ、大規模・効率化で商業ベースに乗せればいいのに…。
個人的には、水質汚染や環境問題があるから、やるなら沖合いにメガフロートを建造してそこで魚類養殖と平行した珪藻繁茂を目指すと、いいんじゃないかなぁとか思う。
ただ、メガフロートだと、初期導入コストは莫大で、償却するのは無理か…。
環境破壊とコストのどちらを優先するか、という話なんだけどね。
関連:

地球温暖化対策で注目されているバイオエタノールを、海藻のホンダワラ類からつくる計画が進んでいる。養殖や製造の基礎技術がほぼ確立したことを受け、日本海に巨大養殖場を設ける構想。日本のガソリン販売量のほぼ3分の1に相当する量になるという。バイオエタノールの原料となる穀物の高騰が問題となっているが、ほとんど食用にならないホンダワラ類が解決策の主役になる可能性が出てきた。
研究を進めるのは、三菱総合研究所京都府立海洋センター、東京海洋大などのグループ。3月12日に東京都内で開くシンポジウムで詳細な研究報告を行い、実現に向けた検討をする。
竹野功璽(こうじ)・京都府立海洋センター主任研究員らは01年から日本海で、ホンダワラの養殖実験を開始。ロープに付着させた30センチの苗が半年で1〜3メートルに成長することを確認した。一方、海藻のアオサ類を使った三菱総研などの実験で、乾燥重量100グラムあたり約30ミリリットルのエタノールが製造できるとわかった。ホンダワラ類にも応用でき、バイオエタノールの量産化に道が開けたという。
構想では、日本海沖合で比較的浅い「大和堆(やまとたい)」の水深約400メートルを中心とした海域に養殖場をつくる。ホンダワラ類を植え付ける太さ約3センチのロープを100本前後組み合わせた養殖ユニット(100メートル四方)を四国の半分強の広さにあたる約1万平方キロに並べる。沖合を活用するため、沿岸の生態系を守れる特長がある。
年間に乾燥重量で約6500万トンの収穫が見込まれ、約2000万キロリットルのバイオエタノールを製造できる計算になる。

http://www.asahi.com/special/070110/OSK200802270002.html

自然環境を利用した方法だと、施設償却が無いから安価に済むけれど、そこから何処まで影響が出るのかが読めないという点が問題だと思う。
湖なら、その湖が永久に使えなくなる程度だが、海は巨大なひとつの生態圏だから。
ま、こういう方法もあるという事で。
で、最大の懸念なんだけれど、こうした技術が実用化されたとして、盗まれないよう保護する法律が日本には存在しないんだな。
実用化に必要なノウハウ知識は、特許法じゃ守りきれないし。
だからこそ、スパイ防止法が必要なんだが。
仮にあったとしても、タダでくれてしまうのが日本政府クオリティ。