gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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無料ソフト「PSP filer」開発者、ユーザーからの「文句」を腹に据えかねて開発・公開中止 - スラッシュドット・ジャパン

PSPで動作する人気ファイラー「PSP filer」の開発者がユーザーに寄付を求めたが、結果寄付はあまり集まらなかったようで、そのために同ソフトの開発と公開が中止される事態になった。
PSP filerの開発者は同ソフトの掲示板などで、「身勝手な要望ばかりする人がたくさんいるため、モチベーションを保てなくなった。そのため(モチベーションを上げるため)寄付を求めた」という旨の発言をしているが、それでも寄付を出さずに身勝手な要望をするユーザーは後を絶たず、そのために公開中止を決めたようだ。
同ソフトの掲示板では機能要望などが活発に書き込まれており、作者もそれを受けて頻繁にソフトのアップデートを行っていたが、ソフトウェア寄付を求めた後はそれを非難する書き込みなども見られる。
作者は今回の件について、「特に金銭が欲しいわけではありません(まだ本業はクビになっていません)。自分のモチベーションを、マイナスのエネルギーが食い尽くした状態とご理解ください」と述べているが、今回の件に限らず、ソフトウェアを無料で提供している作者にとって、そのサポートを行うモチベーションをどうやって得るか、というのはなかなか難しい問題だろう。
公開中止を決断した作者(mediumgauge氏)の主張については、掲示板過去ログの「2009年2月19日 (木) 18時49分」あたりにまとまっている。

http://slashdot.jp/developers/article.pl?sid=09/02/22/1012238

作者の主張を読んだが、しごく真っ当な意見であり、元々善意で公開されていたツールが、やって来る悪意に対して善意と言う意欲が尽きたから公開をやめる。
何も非難される余地も無ければ、むしろ、今までありがとう。と言うべき話である。
それでも、プログラマーとして作品を世に出していく意思があり、善意を測るバロメーターとして寄付と言う「痛み」をあえて被ってくれる人の数をその鍵として残しただけでも、ずいぶん御人よしなくらいだと思う。
元々、フリーウェアの世界で、無料で利用する側は、一種の「人柱」であり、その不具合を積極的に報告し、製作者に還元する事を「当然」とする文化があり、製作者のバグを責めるなんていう「オキャクサマ」じみた行為は恥ずべきものと言う意識があった。
フリーソフトウェアと言うものの本来の意義を理解せず、使う事に何の疑問も持たない、一銭も金を払わず、作者への協力も出来ない「オキャクサマ」が増えすぎたと思う。
世の中には、対価無しで得られるものなんて、善意以外には無いのだけれど、その善意を「当然」と履き違えた利権ゴロほど醜いものは無い。
この作者の方については、同情と共にお疲れ様と言う言葉を贈りたいと思う。