gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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オリンパス報道で注目される臆病な日本メディア -JB Press-

今やオリンパス元CEO(最高経営責任者)となったマイケル・ウッドフォード氏は今夏、日本の小さな雑誌に掲載された気になる記事について仲間の取締役たちに質問した。定期購読のみの月刊誌FACTA(ファクタ)――読者数は3万人、スタッフは数人――は、同氏の前任者が日本企業3社の不可解な買収で多額の資金を浪費したと告発していた。
その後何が起きたかは、もう周知の通りだ。オリンパスは10月14日、同社いわく経営スタイルの問題を巡ってウッドフォード氏を解任した。
英国人のウッドフォード氏はこれに対し、一連の買収に対して抱いた疑念――オリンパスは国内企業の買収で投資資金の大半を失ったことは認めた――だけでなく、別件の英国企業買収で払った異常に高い投資顧問料について公表した。もっとも会社側は、その手数料には価値があったと主張している。
株価は半値に落ち込み、米連邦捜査局(FBI)が調査に乗り出し、25日にはオリンパス会長の菊川剛氏が辞任した。
オリンパスの問題は、日本のメディアにスポットライトを当てた。日本では、大手新聞が――粘り強く醜聞を暴くFACTAの記者と異なり――、オリンパスのニュースを軽く扱ったと批判されている。
■控えめな報道に批判も
「大手メディアは慎重だった」。慶応大学の曽根泰教教授(メディア研究科)はこう話す。「日本の新聞は初期段階では、経営側の視点から記事を書く傾向がある」
批判的な向きは、オリンパスを担当する数十人の記者はFACTAのスクープを追いかけなかっただけでなく、ウッドフォード氏の告発に関する報道は慎重で、概ね新聞の後ろの方に埋もれていたと言う。日本の一流経済紙、日経新聞オリンパス問題を1面で報じたのは会長辞任を伝える記事で、問題が表面化してから2週間近く経った10月27日のことだった。
日経新聞に25年間勤めたFACTA編集長の阿部重夫氏は、日本の主要紙は、広告主を失ったり、企業経営者との関係を損なったりすることを恐れているのではないかと推測している。特に経済紙は、比較的小さなスクープ――例えば、正式発表の前日に買収などを報じること――に依存しており、記者が醜い秘密を暴けば、そうした流れが絶たれる恐れがある。
オリンパス事件は、日本の報道機関にとって困難な時期に起きたと阿部氏は言う。全国紙は何百万人もの読者がいる――世界最大の日刊紙である読売新聞は発行部数が1000万部、朝日新聞は800万部に上る――が、若い日本人は世界各地の若者と同様、紙を離れてインターネットに移っており、金銭的な損失が増加している。
3月の津波後に起きた原発危機での政府発表に偏った報道が事態を悪化させたと阿部氏は考えている。「新聞はかなり信用を失った。読者は違う目で新聞を見るようになった」と同氏は言う。
日本では昔から大衆週刊誌がスキャンダルを暴いてきたが、こうした週刊誌は原告側に有利となる傾向が増す名誉毀損訴訟に妨げられてきた。
裸の女性の写真と並べて政治スクープを掲載する週刊誌の1つ、週刊現代八百長疑惑を取り上げた2007年の連載記事に関して、力士たちに4000万円の損害賠償金の支払いを命じられた。しかし、今年に入って日本相撲協会八百長を認めた後は反訴に出ている。
確かに、英国におけるニューズ・コーポレーションのスキャンダルの余波からも明白なように、メディアが体制との馴れ合いを批判されているのは日本だけではない。
■次第に勢いづく報道、FACTAは読者が急増
また、オリンパス問題で日本のメディアが出遅れたのは、言葉の問題と物理的な問題で概ね説明できるかもしれない。ウッドフォード氏は最初に東京で本紙(英フィナンシャル・タイムズ)に話をした後、英国に戻ったため、一部の日本人記者は同氏の居所を突き止めるのに数日間かかった。
日本のメディアはこの1週間、政治家や規制当局の発言に勇気付けられてか、より積極的にオリンパスの報道に取り組んできた。27日の記者会見では、経営陣が質問に答えていないと不満を述べ、1時間で会見を打ち切ろうとした広報担当者を怒鳴りつけ、20分間延長させた。
一方で、FACTAは読者の増加を謳歌している。阿部氏の話では、FACTAのウェブサイトのアクセス数は従来の2倍以上の1日10万件となり、新規購読者数は通常の3倍のペースで増えているという。「調査力が評価される新しいタイプの報道が必要だ」と阿部氏は語っている。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/27617

日本の大手マスコミは、大本営発表を右から左へ垂れ流し、自社のスタンスに合わせて文章を盛ったり(捏造の自由)、削ったり(報道しない自由)しかしてなかったから、比較的スポンサーや圧力団体からの締め付けが弱い雑誌媒体に対して、調査力・スクープ力で、比較にならないほど劣っているそうな。
それならせめて、高給に見合った専門知識を加えた分析でもやれば良いのに、それすらサボっていたのだから、もう墜ちるところまで墜ちるしかないでしょ。