gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

はてなダイアリーが更新できなくなったので、泣く泣くこちらに移行。使いづらいようなら、別なサービスへの引っ越しも検討する予定。元ダイアリー:http://d.hatena.ne.jp/gayuu_fujina/

映画保存とフィルム・アーカイブ活動の現状に関するQ&A

なんというか、文化を保存し、後世に伝えると言う観点が日本人には残念なほど乏しいと言う事実を再確認するような話だなぁ…。
折角アメリカから飛行可能なレシプロ機を返還してもらったのに、国内での保管状態が酷く、飛行不能にしてしまったなんて話もあるし。
浮世絵なんかも、そうだけど「生きた文化」を保存する事に、日本人の金持ちが、驚くほど無関心で、彼らは「既に価値のあるもの」にしか興味が無く「保存活動」が行われないのが致命的だと思う。
文化が生きている時には、個人レベルの収蔵家は結構居たりするのだが、田舎の地主で、でっかい蔵持ちでも無い限り、そうした収蔵品は収蔵家の死と共に散逸し、大部分が廃棄されて失われてしまう。
この場合、「映画」に限定しているけれど、実は「漫画」もかなりお寒い状況で、戦後の貸本漫画の多くが現存せず、有名作家の人気作品ですら少なからず失われてしまっているとか。
国会図書館には、日本で刊行された書籍が殆ど収蔵されている…と思っている人は結構多いのだが、実はこれもかなり「抜け」が多く、100万部以上売れたような有名漫画でも国会図書館に収蔵されていないケースは結構あるらしい。(これは出版社が納本しないのが理由とか)
今はまだ、再収集が可能だけれど、半世紀も経てば貸本漫画のように失われてしまう作品は確実に出てくると思う。
その時に、発掘したデータソースが「違法コピーデータ」なんて未来は、冗談ではなく「有り得る話」だ。
クールジャパン、予算は500億だけどクリエイターはタダ働きしろ、とか寝言を言う前に、今ある文化の保存・収集を急いだほうが良いと思うわ、割とマジで。
個人的には、今の「完成品フィギュア」なんてのも、時代の徒花で、中国での生産が採算割れすると同時に一気に失われるんじゃないかと思っていたりする。
元々、経年劣化しやすいものだし…。