gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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米陸軍の次期制式ピストル (MHS) にシグ・サワー社の SIG P320 が選定 - ミリブロNews

国防総省は 19 日付けのプレスリリースにおいて、陸軍で長年使用されてきた M9 ピストルからのリプレイスを図ることを目的とした XM17 MHS (Modular Handgun System) 計画の事業者に、シグ・サワー社 (Sig Sauer Inc.,) が選定 (W15QKN-17-D-0016) されたことを発表した。
(中略)
入札はインターネットを介して募集され、9 件が受理されていたとのこと。シグ・サワーにとっては、絞り込み選定の末に有力視されていたグロック、FN アメリカ、ベレッタ USA を打ち負かして獲得した勝利となる。
銃本体の他、アクセサリー類および弾薬を含め、最大約 5 億 8,000 万ドル (=約 665 億円) 規模の案件となる。
(中略)
りシグ・サワー社は、提案依頼書 (RfP: Request for Proposal) に対して、同社の「P320」ピストルをベースに提出しており、.40-caliber と 9mm ピストルを提案に盛り込んでいたとされる。
(後略)

http://news.militaryblog.jp/web/US-Army-Selects/SIG-P320-to-Replace-M9-Pistol.html

ほーーーーーー。
自分の様に、コンバットとか古い作品でアメリカ軍に親しんでいたような古い人間だと、あまりM9(ベレッタM92F)に良い印象が無い。
まず、名銃と呼ばれたコルト・ガバメントの評価が高すぎたという、前任者が偉大過ぎるという面もあるのだが、採用の経緯で、性能で勝るSIG P226ではなく、米国企業であるベレッタが選ばれたという政治的な理由がぷんぷんと臭っていた事もあり、とにかく最初の印象が悪かった。
ただ公平に見て、採用から30年が経過しても致命的な問題を出していない*1、と言う堅牢さは、アメリカ軍の正式採用銃として、十分な信頼性を示したと言えるだろう。
しかしまあ、グロックモドキのようなベレッタAPXが負けて、今度は「買収されてアメリ現地法人となった」SIG P320が採用を勝ち取ったあたり、やっぱりベレッタM9採用は、多分に政治的な背景が強かったんだろうなぁ、と改めて思ったり。
近代軍隊において、ハンドガン不要論が勢力を増す中、さくっと28万丁もの「買い換え」が成立する辺りに、アメリカの軍需産業の市場の大きさが、凄いというか、自衛隊では9mm拳銃(P9)がチョボチョボ買い増しする程度で万単位でドカンと買わないから、一丁当たりのお値段も酷い事*2になってるし、何よりも他に更新すべき装備が溜まり過ぎてて、重要度の低い拳銃の更新なんて、多分あと10年はやらないんじゃないかな…。
追記。コメントで指摘を受けたが、ベレッタ社はイタリアの会社だった。
ずーっと勘違いしてたわ…。

*1:スライド破損事故を起こしているが、32万丁30年運用の中でたった3件に過ぎない

*2:そもそも割高なライセンス生産のせいでもある