gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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中国が空母「遼寧」をパキスタンに売却はデマ―中国紙|レコードチャイナ

中国が空母「遼寧」をパキスタンに売却はデマ―中国紙|レコードチャイナ

2019年2月11日、中国紙・環球時報(電子版)は、中国が空母「遼寧」をパキスタンに売却するとの報道はデマだと報じた。
記事はまず、「パキスタンメディアのザ・ネーションは10日、中国とロシアのメディアの報道を引用する形で、中国が同国初の空母であり唯一の空母でもある『遼寧』をパキスタンに売却すると報じた」とした上で、「記者が把握している限り、これは誤った情報が拡散したものであり、ありもしないつくり話だ」と指摘した。
記事はその理由について、「ザ・ネーションは、中露メディアの9日付報道を引用し、『遼寧は未定の価格でパキスタンに売却される。これはパキスタンの競争力をインドより高めることになるだろう』などと報じた。だがこの人を驚かすタイトルの報道には事実と異なる点が多くある。『中国海軍が遼寧に代わるものとして原子力空母6隻の建造を計画している』などと報じているが、中国がそのような計画を発表したことはなく、中国が公式に対外公開している空母の建造計画は、大連の造船所にある初の国産空母だけだ」とした。
続けて、「上記の報道で言及された中国のメディアとはサウスチャイナ・モーニング・ポストのことだが、記者がその公式サイトを検索したところ関連報道は見つからなかった。もう一つのソースとされているロシア・トゥディが引用しているのは米軍事サイト、ネイビー・レコグニションの6日付報道で、『中国は遼寧をアップグレードしパキスタンに売却することを計画していると中国メディアが報じている』としているが、この報道は決定的な証拠がないだけでなく矛盾してもいる。ネイビー・レコグニションは『2012年9月に就役した遼寧は約18年間中国海軍に仕えることになる』としている。これは中国が30年に遼寧を売却することを暗示しているように思われるが、ネイビー・レコグニションは『遼寧は20年までにパキスタンに売却される』と明言している」とした。
その上で、中国の軍事評論家、宋忠平(ソン・ジョンピン)氏の話として「中国が遼寧を売却するという情報は完全にデマ、うそだ。中国が遼寧を他国に売却することは現実的ではない。第一に、中国初の空母である遼寧は中国海軍にとって『いとし子』だ。売却できるものではない。第二に、中国にはパキスタンに売却できる空母が(遼寧の)ほかにはない」と報じた。(翻訳・編集/柳川)

https://www.recordchina.co.jp/b686756-s0-c10-d0054.html

これがデマであると確信できる最大の理由は、中国の国産空母1号である001A型アラタメ002型、山東艦(仮名)と、更にその発展型と称する002型アラタメ003型である広東艦(仮名)が、共に遼寧艦の改修型の域を出ておらず、試験艦として、練習艦として、中国機動艦隊の経験値集めに酷使されている遼寧艦を調べれば、中国空母の性能が丸裸になってしまうからだ。
近く建造するだろう残り2隻の原子力空母についても、当然ながら現在の流れに沿った設計になる筈なので、明確に世代遅れと確信できる程に遼寧艦からかけ離れた最新空母を開発・建造できるならともかく、現時点で中国の主力空母が遼寧改級とも言うべき状況で、テストベッドたる遼寧艦を手放すのは、手の内を外国に晒すのに等しい愚行になる。
パキスタンが、絶対に中国を裏切らない植民地だというならともかく、借金で手枷をしているだけのパキスタンに、掌中の珠である遼寧艦を売却とか、中国共産党がよっぽどトチ狂うか、アメリカから最新空母の設計図を盗み出して、自国で複製できる確信が出来た時ぐらいじゃないかと思う。
ついでに言うと、中国がJ15を空母から離発着に成功させたのが2010年でしかなく、進水式は済ませたとはいえ、艤装も終わっていない山東艦が未配備である現状、運用可能な空母は、フル回転させてでも乗員の完熟や経験値稼ぎをしていたい状況な訳で、最低でも広東艦が就役して完全稼働し、原子力空母が進水する頃までは、中国が空母を「余す」余裕なんてないと思う。
それは、2020年なんて目先の話ではない。
今まで中国は、こちらの予想を覆す速度で空母の戦力化に邁進してきたが、広東艦が就役するのは、どんなに早くても2022年以降だと思うし…。