gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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豪華な自家用潜水艦で素晴らしき海へ - SankeiBiz(サンケイビズ)

ヘリポートやジェットバスを装備した数百万ドルもする豪華な巨大ヨットに飽きたという人は、オーストラリアの自家用潜水艦メーカー、ミガルーが設計した全長280メートル超の自家用潜水艦「M7」はいかがだろう。
甲板にヘリポートが欲しい人も心配は無用。M7はヘリポートを完備しているだけでなく、プールやVIPスイート、無数のヘリ格納庫もある。しかもデザインは米海軍のズムウォルト級駆逐艦からインスピレーションを得たものだ。残念ながら動力はディーゼル発電式で、原子力ではないが。
そして海面を漂うだけのヨットとは異なり、M7は水深約457メートルまで潜水でき、20ノットの速度(時速約37キロメートル)で水中を進んで行ける。ディズニー映画「リトル・マーメイド」の主題歌にあるように、「アンダー・ザー・シー(海の中)」には、素晴らしい世界が広がっている。
世界最高額2600億円
もっとも、水中の生活は魅力的かもしれないが、M7は高くつく買い物だ。
ミガルーのクリスチャン・ガンポルド最高経営責任者(CEO)によれば価格は未定だが、23億ドル(約2600億円)前後になる見込みだという。「個人の所有物としては世界で最も高額となるのは間違いない」とガンポルド氏は語る。
(中略)
現在多くの自家用潜水艇が水中を航行しているものの、今回紹介したようなぜいたくな造りの自家用潜水艦はまだ実際には、水中に存在しない。その完成予想図がインターネット上でいかに話題になろうとも、M7やフェニックス1000のような豪華潜水艦はおおむね理論上でしか存在しないのだ。
(中略)
メーカーは「潜水艦と、訓練を受けた操縦者を手に入れればどこへでも行きたい所に行ける」と売り込んでいる。現実、民間の潜水艦に対しては、世界のどこにおいても特殊な法的規制がない。
とはいえ、沿岸警備隊がその存在に注意を払わないわけではない。「他国の領海を通航する潜水艦に対して、誰もが寛容ではない」と、トリトン創業者のパトリック・レイヒ氏は語る。
(後略)

http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/171028/cpd1710280555003-n1.htm

イメージ図と内部構造イメージを見たけど、ほとんど攻撃型潜水艦と言われても違和感ないわ…。
後部格納庫には小型潜水艇を格納しており、水中発進も可能だったり。
何より恐ろしいのが、サイズの「Length over all (LOA): 225 M -283 M Beam: 32 M, Draught: 13.6 M*1 という記載。
最初に、スケール記載のあった画像を見た時は、単位が無くて「フィート」かと思ったのだ。
280フィートなら、約85mとなり、そうりゅう型とほぼ同サイズになる。
通常動力型としては、常識の範囲と言えるサイズだ。
んが、公式サイトの単位表記は、上記のとおり「」!!
良く見たら、艦体中央部に25mか50mのプールを付けてるんだから、そりゃ全長85mじゃ、全然足りんわな(核爆)
世界最大にして、水中排水量が48,000トンに及ぶタイフーン級原子力潜水艦の全長が、175mである。
それより100m近く全長が大きいM7の水中排水量は、8万トンクラスになるだろう。
…それが、「たった2000億円!?」
水中排水量が4200トンのそうりゅう型は、1隻513億円。
排水量が19倍でも、建造費が4倍で済むなんて、なんて素晴らしいんだ!
オーストラリアは、今すぐこの会社に、次期潜水艦を発注すべきだと思うよ。
ていうか、このサイズの「通常動力潜」を、水上40ノット、水中20ノットで走れる超高性能な動力源を持って居るなら、オーストラリアは世界最高の潜水艦技術どころか、超未来技術を持って居ると断言できる。
誰も買わないと思って、適当な事言ってるんだろうなぁ、このメーカー。
あと、民生用潜水艇に対して国際的な規制がほぼ無いのは、艦隊随伴が可能なレベルの長距離航行が可能な潜水艇を、民間人が保有する事例がほぼ絶無だった事にある。
民生用潜水艇は、深海探査艇と観光用潜水艇の2種類がほぼ全てと言って良く、深海探査艇は母船で目的海域まで移動して、潜る事に特化しているから、航続距離は殆ど無い。
母船の方を船舶法で縛っておけば十分なのである。
そして、観光用潜水艇は、運用母体の企業が属する沿岸海域で運用される事が前提なので、公海を渡り、遠くの国の経済水域まで行く事はあり得ないし、速度も航続距離も限定的なもので、そもそも他国の海域まで行く事が無いし、行けない。
もし、民間用でこの記事にあるような超大型で、長距離航海が可能な潜水艦が実際に売れたとしても、友好国間なら民間船舶扱いしてくれたとしても、中立、対立国の近海に行ったら、偽装軍艦呼ばわりされて拿捕されても、文句は言えないと思う。