gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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陸上自衛隊の03式中SAM改が性能試験でかなり良い結果を出したとの事! : 軍事・ミリタリー速報☆彡

11月5日のアメリカ陸軍の報道によると、日本陸上自衛隊03式中距離地対空誘導弾改(略称:03式中SAM改)が今年の夏にニューメキシコ州にあるホワイトサンズ・ミサイル射撃実験場で迎撃試験を行い、10回の試験に全て成功した事が伝えられています。そして標的の中には高空でマッハ3〜4、海面すれすれでもマッハ2.5を発揮できるGQM-163Aコヨーテ超音速巡航ミサイル標的も含まれていました。
(中略)
本来は海上自衛隊護衛艦に搭載するために開発されていた艦対空誘導弾XRIM-4が元になっています。(XRIM-4は海上自衛隊には不採用)

http://bylines.news.yahoo.co.jp/obiekt/20151110-00051293/

XRIM4の原型になってるAAM4自体が、相当優秀な空対空ミサイルなんで、必然な結果というか。
しかし、「03式中距離地対空誘導弾」って、中身はホークをベースに国内開発した国産ミサイルだから、XRIM4とは出自が違うんで、「03式中距離地対空誘導弾改」と謳っているけれど、実際は「別物」。
なのに、名前を変えずに「改」で済ませる辺りに、自衛隊の「三味線弾きっぷり」が伺えて面白い。
元々AAM4は、巡航ミサイルの迎撃も可能な高性能AAMなのは知られていたけれど、超音速タイプの巡航ミサイルまで迎撃可能となると、一気に中国の「弾道弾と巡航ミサイルによる飽和攻撃」の脅威が、大幅に削減されている事が確定してしまった。
中国の保有する巡航ミサイルの大半は亜音速の鈍足タイプで、最新の超音速タイプはごく少数のはずだから、仮にAAM4が亜音速タイプしか迎撃できなくても、当面の脅威度は低かったのが、超音速タイプも迎撃できるとなると、中国の長射程ミサイルで日本に打撃を与えられるのは、短距離・中距離弾道ミサイルだけになり、お値段も10倍以上だから、中国の保有数も巡航ミサイルに比べて1桁少なくなる。
それすら、SM3とかPAC3で迎撃可能なんだから、自衛隊の初期残存性は想像よりずっと高いものとなる。
AAM4は1発1千万円ぐらいらしいけれど、中国の巡航ミサイルは安いと言っても1発7千万ぐらい*1
つまり、日本は中国の巡航ミサイル1発をAAM4を2発で落としているだけで、中国は大損する計算になる。
結局のところ、同格の先進国相手に「弾道弾と巡航ミサイルによる飽和攻撃」って、ABC兵器を使われない限り、あんまり脅威とは言い難いのよ。*2
そして、一応中国は核兵器の先制不使用を掲げているし、BC兵器は国際的に禁止されている。
ならず者国家代表の中国が、ならず者らしく最初からアメリカと全面戦争上等でABC兵器で「弾道弾と巡航ミサイルによる飽和攻撃」をしてこない限り、防衛戦争に限れば日本は2030年代でも中国に抗するだけの地力は残っていると思う。
問題は、中国はロシアにも負けないぐらい頭がおかしい国である点。
連中が最初からABC兵器を全力でぶっぱしてくるようなら、序盤の日米は大被害を受けること確定で、下手すると日本人はその時点で3割ぐらい死ぬ。
なんつーか、日本の隣には頭のおかしい国ばかり、と言う現実は、難易度ヘルモードだとつくづく思う。

*1:アメリカの巡航ミサイルは1発1.5億円だから半額くらい

*2:戦争やってるのに、防衛側が無傷じゃないと負けだと考えるようなDQNには理解しがたいっぽいけど