gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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ノベル作家さんが苦しい胸中を吐露…「売れないとわかっている作品を書く意義を見いだせない。専業作家になったのは失敗だった」 | にじぽい

ラノベバブルだった10年前の時点ですら、編集者は作家に兼業を強く勧めていたと聞いてたのに、7年前デビューの新人が専業の道に入るとか…しかも女性なら結婚引退と言うワンチャンあるのに、男性とか…もう昔の小説家の様にヒモの才能ないと、人生詰んでるだろ。
SAOの様にデビュー作でひと山当てて、生涯賃金分は稼ぎ出した後ならともかく、東京創元あたりの零細デビューではなぁ…兼業にしてない方がおかしい。
まず、押さえておくべき事実として、ライトノベルバブルのの前後で、読者の総数と言うか、「本を買う」という動機と資金を持ってている人たちの市場ってのは、拡大しておらず、横ばいなのだ。(減少傾向すらある)
つまり、ライトノベルバブルは、新しい市場を開拓したのではなく、一般文芸とか、本格推理とか、当時低迷していた層から顧客を引っ張っただけで、全体のパイは変わって居なかったのだ。
そして、ライトノベルバブルで、膨大な新規参入…ラノベ作家の大量生産によって、パイの取り合いは激化したものの、実は全体的には貧しくなる一方であり、儲けている作家は年収が億に届く一方で、底辺ラノベ作家は1作書き下ろしても百万前後とか言う「貧富の差」が極端に大きくなったのも、この時代の特徴である。
トドメと言うべきは、Web出身作家の台頭である。
元々Web出身作家は、学生だったり、自宅警備員だったり、本職を別に持ち、趣味で書いている人達なので、出版されるだけで「ご褒美」となってしまい、元々プロとして食っていく意識が低い。
だから、初版部数も絞り、1冊あたりの単価も高く、売れ行きが多少微妙だったとしても「出版社は」損をしないというラインだと、作家側はどう考えても食っていけないだろう的な印税額(月収程度)になってしまうのだが、Web出身作家はOKしてしまう。
結果、今のWeb出身作家バブルが発生。

著作物の再販制度(再販売価格維持制度)とは、出版社が書籍・雑誌の定価を決定し、小売書店等で定価販売ができる制度です。独占禁止法は、再販売価格の拘束を禁止していますが、1953年の独占禁止法の改正により著作物再販制度が認められています。
(中略)
出版物再販制度全国の読者に多種多様な出版物を同一価格で提供していくために不可欠なものであり、また文字・活字文化の振興上、書籍・雑誌は基本的な文化資産であり、自国の文化水準を維持するために、重要な役割を果たしています。
(後略)

http://www.jbpa.or.jp/resale/

もうね、Web出身作家ばかり扱ってる出版社とか、再販制度の恩恵を受ける権利無いだろってレベル。
趣味で高品質なイラストを描く人が多い日本では、出版社がそうした存在を「安く」使う事に熱心な為、本職のイラストレーターという存在の価値が大きく毀損しているのと同様の理由で、これらか本職の作家と言う存在は、毀損していくと思う。
結局のところ、志の欠片も無い出版業界が一番の癌だという話で、AmazonとかDMMとかクリエイターと受け手との間を安価につなぐシステムが成熟したら、役割を終えて、金とマンパワーが必要な漫画とアニメ以外のコンテンツは、扱わなくなるんじゃないかねぇ。