gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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TPP発効、5億人経済圏誕生 | ロイター

日本を含む11カ国が参加する環太平洋連携協定(TPP)が30日発効した。世界の国内総生産(GDP)の13%を占め、域内人口が5億人を超える新たな経済圏が誕生。米中がお互いの通商政策を批判して追加関税の応酬を繰り広げるなど保護主義が拡大する中、対抗軸となる自由貿易圏を目指す。将来的に域内の農産物や工業品の95%超の品目で関税を撤廃する。来年2月には欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)も発効し、日本の通商戦略は新たな局面を迎える。
TPP発効は日本にとって工業品輸出に追い風となり、食品の値下がりも期待できる。だが安い農産物の流入は国内農業に試練となる。

https://jp.reuters.com/article/idJP2018122901001713

正直な所、TPPは時代遅れのグローバリズムの産物であり、アメリカが抜ける事で「対中包囲網」としての意義が失われ、それでなくても日本にメリットの薄い経済協定の締結に、どれほどの意味があるのか、と懐疑的に思っていたし、アメリカが抜けてなお、安倍総理がTPPのアメリカ抜きでの成立と発効を目指した事に疑問を持ったが、その後すぐに、トランプの2国間協定に対する牽制に使う強かさと、アメリカが一方的に抜けた事で、アメリカの横やり無しで「日本が盟主となる経済圏」を成立させた点は、純粋な外交的成果だと思う。
人数を見りればわかる通り、「たった5億人」の経済圏だ。
アメリカの率いる北米自由貿易協定(NAFTA)は、3か国・5億人だが、その全てが「先進国」であり、経済規模は段違いに大きいし、中国は単独で13億人の経済圏だから、それらとは比較するまでも無く、劣勢の存在ではある。
しかし、それらに日本単独では、劣勢以前の、全く対抗の余地が無かった訳で、これからは、劣勢であっても対抗できなくもない、と言う立場まで持ってこれた訳である。
TPPで日本のGDPが成長する余地は小さいどころかほぼマイナス*1という試算が出ているし、この恩恵を受けるのは輸出入で利益を出せる大企業に限られ、内需国家の日本では恩恵が小さい等の問題も多いが、日本以外の加盟国は、間違いなく経済成長の恩恵を受けられる訳で、経済圏全体を見た場合、伸びしろ…成長のメリットがある。
結果的に、日本の地域に対するプレゼンスは間違いなく向上するだろう。
これを、トータルでプラスに出来るかが、TPPに対する評価の分かれ目になりそう。
…無能な外務省を一旦潰さない限り、マイナスになりそうな気はするが。

*1:賃金の安い国に雇用が流出するので…