gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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コルホーズってそんなに恐ろしいところなんですか?Wikipediaで調べてみたんです... - Yahoo!知恵袋

コルホーズ、ソホーズに代表される「農業の大規模化・国営化」は「効率が悪い」と言われており、その理由として学校で教えられたのは「社会主義なので成果が自己利益に結びつかず生産意欲が低かったため」と言う話だった。
そのときは「なるほど、頑張ってもサボっても同じ給料なら、働かないよなぁ」と、どこぞの公務員のような事を考えて納得していたわけである。
しかし、自由主義社会なのに生産性の低い日本の農家*1に対して、日本の食料自給率の低さは問題だから、農業の大規模化、いっそ国営化という話をすると、ほぼ確実に「ソ連コルホーズソフホーズは失敗した」という反論が出てくるのだけれど、

スターリンは重化学工業を発展させる資金として食糧輸出の外貨をあてたが、収穫を低価格で取りあげようとする政府に農民がやすやすと従うわけはなかった。そこで、効果的に収奪するために、農民をコルホーズ、ソホーズに囲いこむ農業集団化が強行された。その際、見せしめにされたのが、「富農(クラーク)」である。
29年当時のソ連に「富農」という階級が存在したわけではない。本来の意味の「富農」は十月革命と農地解放、その後の穀物強制徴収時に皆殺しにされ、「公平な土地分配」がおこなわれていた。先祖代々の「富農」が消滅した後、たった十年で階級分化が起こるはずはない。裕福な農民はいたが、それは勤勉さと農業技術改良への熱意の結果であって、彼らこそ「ロシア農業の背骨」(ソルジェニーツイン)というべき人々だった。
科学的社会主義者は地域のリーダーになりそうな裕福で気骨のある農民には「富農」、貧しいがコルホーズ加入をしぶる農民には「富農支持者」というレッテルを貼りつけ、銃殺したり、家族もろとも収容所に送ったり、シベリアの密林の奥に「強制移住」させて皆殺しにした。手っとり早く、数千人単位で沼の中に沈められた農民もいる。
有害分子を一掃した後の農村は楽園になったのだろうか。
そうではない。天候不順もあったが、集団作業の不手際もひびいて、1932年、1933年には大飢饉が襲った。
科学的社会主義者は、五ヶ年計画達成のために種もみまでも農村から強奪し、食糧輸出を強行した。飢えた農民は駅を目指したが、都市へ移動することは許されなかった。駅周辺には餓死死体が累々と横たわった(国内旅券制度はこの時にはじまる)。
これがスターリンの飢餓輸出である。アガニョーク誌はウクライナの穀倉地帯だけで一日平均二万五千人、一年で七百万人以上の餓死者が出たという資料を公表している。
だが、農村収奪はスターリンが最初ではない。レーニンも食糧徴発隊を農村に送り、やはり種もみまで奪って飢饉を起こしている。バルト諸国に対しては、現地のソビエト政権の要請と称して侵略軍を送っているし(この時は撃退されたが)、最初の強制収容所を作ったのも、政敵を精神病院に監禁する手口を考えだしたのも、赤色テロによって反対派を虐殺する習慣を作ったのもレーニンである。スターリン主義レーニン主義の延長線上に生まれたのだ。
単に国民を食べさせるためだけなら、あのような強権を発動する必要はなかった。科学的社会主義の科学性を証明するために無理を重ねた結果が、あの大虐殺と大飢饉であり、そのつけは慢性的な食糧不足として今日に暗い影を投げかけている。
ゴルバチョフペレストロイカの一環として、事実上の農地私有を認めようとしているが、いくら個人所有になったからといって、農業技術の伝承は途絶えたうえに、気骨のある農民は家族ぐるみ根だやしにされてしまっている。一部の商品作物の増産は可能かも知れないが、肝腎の穀物増産は望み薄だろう。

http://www.horagai.com/www/book/rev/rev037.htm

こんな状況なら、集団農業とか国営化とか関係なく確実に失敗するよなぁ…。
例えるなら、工場の利益を奪うために、技術者を皆殺しにして奪った工場を、強制連行した素人だけで運営させたようなものだから。
しかも、手持ちの金が無いから原料(種もみ)まで奪うとか、やる気無いだろ、としか思えねぇw
少なくとも、日本の農業効率化のために大規模化・国営化を進める反対理由に、ソ連の失敗はまるで見当違いなのだと言うことだけは良く判った。