gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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アメリカ「ロシア製ロケットエンジンの代わりが見つからない…」 : 大艦巨砲主義!

米政府は、軍事衛星を打ち上げる際にロシア製ロケットエンジに代わる手段を見つけることができなかった。ロイター通信が、米国防総省兵器購入プログラムの責任者フランク·ケンドール氏の発言を引用して伝えた。
フランク·ケンドール氏によると、米国側は、ロシア製エンジンに代わる手段を模索し続けているという。同氏は、私たちはロシア製エンジンの使用を止めたいが、どのように実行したらよいか分らないと語った。
先月伝えられたところによると、米国の上院委員会は、ロシア製のRD180エンジンに代わる新たなロケットエンジンの開発に1億ドルを拠出した。
これより先、ロシアのロゴジン副首相は、非軍事目的のみに使用されることが保障されれば、ロシア製ロケットエンジンを米国に供給する用意があると発表した。

http://japanese.ruvr.ru/news/2014_06_14/273519631/

アメリカがロシアのエンジン頼りってマジか?と驚いて調べてみたら、マジだった。
アメリカの最新ロケットであるアトラスVが使用しているロケットは、確かにロシアからライセンスを買ったRD180エンジンを使用しており、しかもライセンスを買ってはいるものの、製造もロシアが行っている状況。
アメリカ議会は「NASAに適切な予算を渡せば、数年以内に同等のものを開発可能」とか言って、このロシアに依存した状況を是としていたが、ご覧の有様である。
余談だけど、韓国系アメリカ人がこのロケットの開発資料を韓国に不正輸出しようとして逮捕、投獄されている。…朝鮮人の泥棒根性はマジウザいな…。
ちなみに、日本のH2Bロケットは性能で言うと「大型ロケット」に分類されるんだけど、アメリカのアトラスVやロシアのデルタIVは、もう一回り大きい超大型ロケットと言うべき大きさと性能を誇る。
低軌道打ち上げ能力が16.5tのH2Bに比して、デルタIVは24t。
たった1kg余計に打ち上げる為に100kgロケットが重くなる、と言われるロケット業界で、7.5tものペイロード差がどれだけ巨大な技術差なのかは、言うまでもない。
ちなみに、中国の長征3とか4は、H2Aと大体同じスペック。日本と同様に大推力エンジンを作れないから、H2Bのようにクラスター化して推力を稼いでいる。*1
日本が超大型ロケットを作っていないのは、重い軍事衛星を上げる必要も無く、有人宇宙飛行する訳でもないので、そんなに打ち上げ能力が必要無い事と、アメリカの有形無形の圧力と、予算が無いと言う理由の複合で。
そもそも、この手の超大型ロケットは、核弾頭の小型化によって必要性が薄れた分野で、アメリカは代替としてスペースシャトルに全掛けして失敗、ロシアはソビエト崩壊後の数少ない外貨獲得手段としてアメリカにライセンスして生き延びただけで、需要としては米露の様にこっそり兵器まで載せた重たい軍事衛星でも打ち上げるんでも無ければ、使い道が無いんだけどね。
日本のH2Bだってペイロードが余ってて相乗り衛星を探して見つからないぐらいなんだから。
しかしまあ、アメリカの凋落を象徴するニュースだな。