ドゥテルテ比大統領、米との軍事同盟転換を示唆 中ロから装備調達を命令 - WSJ
【マニラ】フィリピンのドゥテルテ大統領は13日、同国の長年にわたる軍事的な米国依存を突然やめることを示唆した。同大統領はロレンザナ国防相に対し、麻薬密売人や反政府勢力と戦うため、中国とロシアのサプライヤーから軍事・防衛装備を求めるよう命じた。
http://jp.wsj.com/articles/SB12617220903726724586904582312513571156608
同大統領はまた、もう一つ別の政策シフトとして、米海軍とともに南シナ海上を巡視する活動を停止するつもりだと述べた。中国を刺激しないようにするためで、フィリピン軍はその代わりに麻薬とテロとの戦いに集中すると語った。
フィリピンは何十年間にもわたって米国と密接な関係を維持してきた。例えば最近では2014年の米比軍事協定を通じて軍事協力を強化した。米国政府もフィリピン政府も、同盟関係をテコにして中国に対抗している。
しかし6月30日の大統領就任以来、ドゥテルテ氏は国家として米国から距離を置きたいと述べている。それは、アジア太平洋地域の戦略バランスを変更しかねないスタンスだ。同氏は12日、米軍に対し、ミンダナオ島から退去するよう求めると述べた。
とうとう馬脚を現したか。
元々が華人の家系で共産主義者のドゥテルテ大統領が、中国共産党の利益代弁者であり、中国共産党の様な強権的独裁を希求しているのは明らかだったのに、フィリピン人は戦前のドイツ人の様に、あっさりと狂った独裁者に政権を喜んで譲り渡してしまった。
この件は、中国へと身売りを始める第一歩だろうね。
問題は…フィリピンが中国側に取られると、日本にとって重要なシーレーンが寸断されるに等しいダメージがあること。
地図を見れば判るが、台湾とフィリピンが敵に回ると、日本は西側からの海運が完全に途絶し、原油や天然ガスの８割が輸入できなくなる。アメリカにとってもこれは小さくない問題であり、アジアの戦力バランスを再考する必要に迫られたと言えるだろう。
そういう重要な国だから、日本はフィリピンにＯＤＡを始めとした様々な援助をしてきた経緯もあり、フィリピン人は、反米だけと親日と言う国民性である。*1
しかし、今回の「フィリピンの裏切り」によって、日比関係にも影響が出る事は避けられないだろうし、日本の海防にとっては重大な転換点になりかねない局面に突入したと思う。
この場合、直近で言うなら、フィリピンのコウモリ外交を許してシーレーンの維持をしつつ、中長期的にはドゥテルテ大統領を排除して再び西側に引き戻すか、フィリピンの離反は避けられないものとして、アメリカからの太平洋越しでの海運でエネルギーを担うか。
後者は、輸送コストが激増するので、現実的ではない。
原発と核燃料リサイクルで、電力だけでも国内で賄えるようになっていれば、まだマシだったんだけど、「もんじゅ」廃炉も含めて、日本はまた難しい状況になったと言える。
とりあえず、原発反対派はさっさと黙らせて、国内の原発はさっさと全部再稼働させるべきだし、水素社会計画を前倒しで進めて、化石燃料の供給が途絶えても最低限インフラの維持が出来るようにしないと…。
せめてもの救いは、フィリピン自体は「ほぼ海軍も空軍も持たない」点。
経済力的に考えて、日米に対抗できる戦力を揃える事は不可能ではあるんだけど、中国人民解放軍の前線基地になるだけで、脅威と言えば脅威である。
