gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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日本と韓国の潜水艦を比べたら、あらゆる面で韓国に勝ち目がなかった=中国メディア-サーチナ

中国メディア・東方頭条は18日、「日本と韓国の潜水艦のパワーを比較したら、日本が全面的にリードしていた」とする記事を掲載した。
記事は、「日本と韓国は同じ米国の盟友だが、両国間の関係は微妙だ。島の領有権をめぐる問題もあり、軍事力の発展という点で両国は一定の競争をしている。近ごろ、韓国は『国産』の通常動力型潜水艦を進水させたが、将来の装備や技術レベルいずれにおいても、日本の潜水艦と比較すれば基本的に勝ち目はない」とした。
そして、戦前にアジアで右に出る者はいないほどの海軍の強さを誇った日本は、第2次世界大戦の敗戦によって一定期間「休み」を強いられたが、国際情勢の変化を利用して先進的な潜水艦の研究開発を積み重ね、今や世界で有数の大規模な潜水艦開発経験を持つ国になったと説明している。
一方で韓国については「日本に比べて、潜水艦の研究開発において明らかに基盤がない」と指摘。商船の建造では確かに数の面でも質の面でも大きな成果を収めてきたが、潜水艦の建造は商船よりも複雑であるうえ、ドイツなどの国から潜水艦に関する重要な先進技術を得ることは難しいとし、「このような状況では、日本の潜水艦に比べて技術レベルでの強みがないのは自然なことだ」と評した。
記事はさらに、潜水艦の建造技術だけではなく、長期的な潜水艦の使用経験や、配属隊員への訓練レベル、作戦配備レベルでも韓国は日本になおのこと及ばないと説明。「それゆえ、日韓の潜水艦のパワーを比較すると、韓国に何のアドバンテージもないことが一目瞭然になるのだ」とした。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

http://news.searchina.net/id/1671459

総論は正しくても、それを導くためのファクトがちっとも書かれていない記事で、読んで損した気分になれる。
まず、韓国の潜水艦保有は、1990年代初頭にドイツの209型潜水艦を導入する事からスタートしてる。
それ以前には、所謂高度経済成長前で、金が無く、トルゴレ級と呼ばれる175tの工作員を送る為の小型潜水艇保有しているのみだった。
んで、ドイツHDW社の輸出用潜水艦である209型潜水艦(1200t級)に、韓国海軍の運用要求に応じたカスタマイズを加えて完成したのが、韓国最初の攻撃型潜水艦「張保皐級潜水艦」である。
これを日本の潜水艦保有数が14隻(+練習艦2隻)だった時に、18隻調達を目指して、ライセンス生産する事にしたんだけど、日本がAIP搭載の「あさしお」を試験改修(1999年)すると、慌てて調達数9隻の段階で打ち切り、ドイツのAIP搭載潜水艦である214型潜水艦(1700t級)を調達する事にした(2002年)のである。
この209型、214型をライセンス生産していた韓国だが、その品質はお粗末の一言だった。
特に214型の方は、騒音に加えて水漏れと言う製造品質の問題もあったが、本家の時点で欠陥問題を抱えていた事もあり、API関連でもトラブルが多発して、AIP艦の肝であるはずの長時間潜航が出来ないなどがニュースにもなった。
一番艦の「孫元一」なんて、20カ月以上もドッグで寝たきりだった事でも有名になった。
そんなこんなんで、209型、214型とドイツの輸出潜水艦(沿岸型)を20年近くライセンス生産し続けた訳だが…2013年。突如、「俺は潜水艦を建造できるぞ、ジoジoーーーー!!」と叫んだ韓国は、3000t級の外洋型潜水艦の建造を発表。
元々、209型…張保皐級潜水艦(KSS-I)、214型(KSS-II)の次世代は、韓国国産を目指しており、KSS−IIIの計画名で2005年頃から独自研究がスタートしてた話で、当初は原子力潜水艦と言う話もあった。
そして、2006年に、2020年戦力化を目指してスタートしたのが、3000t級のKSS−III型潜水艦の開発事業となる。
ここで興味深いのは、2009年にKSS−III事業は順調に遅延していて、計画を2年遅延する事を決定しているのだが、それ以降はしばらくニュースが絶え、上記したように2013年に「9隻建造」とふち挙げられ、2014年には着工式を行っているのだが、実際に建造に着手したのは、2年後の2016年6月の事になる。
そしてここに、面白い数字の符号が出てくる。
2015年3月、オーストラリアのコリンズ級潜水艦更新計画で、急なアボット退陣により日独仏の入札競争になり、ドイツは214型を拡大した4000t級を提案。
2016年4月、正式にフランス案が選定。
そして…2016年6月、韓国型KSS−III 3300t級(水中3700t)潜水艦が起工。
そもそも、オーストラリアのコリンズ級潜水艦更新計画に、ドイツが素早く214型の大型化で行ける、と自信を持って4000t級試案(216型潜水艦)を出せたのは、何故か?
という辺りまで考えると、韓国の「国産設計」という辺りから、疑問符がついてるんじゃないかと…。
閑話休題(それはさておき)
では、「ウリジナルじゃないのか、ドイツの設計なら安心だ!」…とは行かない罠。
ドイツの潜水艦は、頻繁な補給が可能な、地中海を主戦場に開発されている「沿岸型」の潜水艦で、2000t以下の小型の艦体は、長期の外洋航行を重視して居ないからこそ、あのサイズで設計されている。
つまり、長期航海を想定した外洋型の潜水艦を、今まで作って来なかった訳である。
いくら優秀なドイツ人でも、初めて作る物が最初から完璧である筈も無い訳で、しかも韓国は「弾道ミサイル発射用の大型垂直発射管はは必須」だとか無茶振りも酷い要求仕様。
当然だが、ドイツは水中発射型の弾道ミサイル保有しておらず、その発射に関わるノウハウは無い。(もちろん、韓国にもある筈が無い)
しかも、建造を担当するのは、214型のライセンス生産すらまともに出来ない現代重工と大宇造船。
これだけ不利な条件が重なれば、仮に設計をドイツのHDWがやっていたとしても、十分な性能が得られるか、微妙な所である。いわんや本当に韓国ウリジナル設計なら、その性能はお察しにも程がある。
これらの過去の経緯と情報を勘案して、韓国のKSS−III型潜水艦…島山安昌浩級が、日本の潜水艦とマトモに戦えるか、と言う話について、結論は一つしかない。
もうマヂ無理。
そもそも、チョークポイントでの待ち伏せ攻撃と、対潜水艦戦を重視している攻撃型潜水艦である日本の潜水艦(4200t)と、艦体が大きい原子力潜水艦(大体8000t級以上)でもないのに、巡航ミサイルだとか短距離弾道ミサイルだとか、対地攻撃まで欲張って装備して膨れた韓国型潜水艦(3700t)が、潜水艦同士で戦ったら、そりゃ、ねぇ?
例えるなら、制空戦闘機と汎用攻撃機が戦うようなもんだし。
仮に日韓の技術レベルと乗員の質が同レベルだったととしても、この時点で差がある訳で。