gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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Bloomberg.co.jp:欧州 国連:新たな世界準備通貨の創設提言−為替相場管理で安定必要

9月7日(ブルームバーグ):国連は7日発表した報告書で、新たな世界準備通貨を創設し、国際貿易でのドルの役割を軽減することで、新興国市場を金融の思惑的な「信頼感競争」から保護する必要があると提言した。
ジュネーブに本部を置く国連貿易開発会議(UNCTAD)は報告書で、国連加盟国は新たに世界準備通貨銀行を創設し、同銀が通貨発行および加盟国が保有する通貨の為替水準を監視することに合意する必要があると呼び掛けた。
米住宅ローン市場の崩壊をきっかけに金融危機が発生したことを受け、中国やインド、ブラジル、ロシアは今年、ドルに替わる主要準備通貨が必要だと訴えた。世界最大規模のドル準備を有する中国は、国際通貨基金IMF)のSDR(特別引き出し権)など超国家通貨が安定強化につながるだろうと主張している。
報告書の共同執筆者で、UNCTADのディレクターであるハイナー・フラスベック氏は、ジュネーブからインタビューに応じ、「為替相場管理のための多国間合意に基づく枠組みで、より安定した為替水準を達成できる確率はかなり高い」との見方を示し、「ブレトン・ウッズ体制や欧州通貨制度(EMS)に相当する取り組みが必要だ」と述べた。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003015&sid=aAbnNagB_NEA

米ドル基軸通貨体制に問題が多い事は事実だが、世界準備通貨なんて大仕事を、「今の国連」に実現できるのか?
同僚に無能を暴露されたトンスル大好きな世界大統領が、トチ狂って発表しただけちゃうんかと。
それに、万が一成立しても、常任理事国が恣意的に自国へ利益誘導し、常任理自国以外は世界同時不況のツケを押し付けられて丸損という結果に終わりそうな悪寒。
今現在、米国経済が曲りなりにも回っているのは、米ドル基軸通貨体制ゆえに、米ドルを印刷すれば多少の無理なら通ってしまうという強みがあるからである。
もし、米ドルが基軸通貨じゃなければ、ここまで米国経済が膨れ上がるずっと手前で米国はソビエト同様に崩壊するか、もっとコンパクトな国になっていたはずである。(冷戦直後の時点で、不要になった莫大な軍備を維持する為の軍事費を支えることが出来ないし、世界最高の科学技術力を維持する為の投資マネーの確保も出来なかった)
その米国が世界準備通貨を支持する場合、それに代わるメリットが無ければ、単なる自爆となる。
米ドルが基軸通貨の座から滑り落ちることが確定すれば、「有事のドル買い」で途上国の有力者によって死蔵されている、基軸通貨という地位ゆえに生まれた「利子の要らない米国債」というべき死蔵米ドルが動き出す。
これは隠れた借金が顕現する事に等しく、米国債の大量売却と同様に一気にドル安が進む事になる。
世界中が協力的なら、ソフトランディング出来るかもしれないが、アメリカは非常に敵が多い国であり、中国やロシアと言った社会主義国家が、米国の弱体化の為に敵対的な介入をしない保証がない。
正直、世界準備通貨はもう一回世界大戦でも起きない限り、実現しないと思うんだけど。